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幻想甲虫録
魔王VS救世主
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正邪とゲイツの襲撃。博麗神社で今まさに霊夢とソウゴがその餌食となっていた。
しばらくの沈黙と睨み合いが続く中、それらを破るように先手を取ったのはゲイツだった。


ゲイツ「挨拶代わりだ、お前の首を切り落とす!『ギコギコスラッシュ』!!」

ソウゴ「会って早々物騒なこと言うな!?『ローリングスマッシュ』!!」


大顎をギラリと光らせた後襲いかかるゲイツにソウゴがダゲキ技で応戦しようとしたその時、正邪はニヤリと口元を歪めた。
そして取り出したのは1枚のスペルカード。一体何をしようというのか。


正邪「おっと、そうはさせねぇぜ?逆転『リバースヒエラルキー』」


ダゲキはハサミに勝つ。ソウゴは正邪のスペルなど無視してゲイツに突撃。青太郎の時のように左右コンビネーションを―――――



ガシッ



ソウゴ「!?」


一瞬何が起きたかカブトムシと巫女にはわからなかった。ここで決まるダゲキ技はゲイツのハサミ技に勝つはず。
にもかかわらずソウゴは大顎で首をつかまれていた。


霊夢「ちょっと!何つかまれてんのよ!?あれハサミ技でしょ!ソウゴのローリングスマッシュが決まるんじゃないの!?」

正邪「おいおい、私の能力を忘れたのか?『何でもひっくり返す程度の能力』を!!」

ゲイツ「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」



ギコギコギコギコギコギコギコギコ



ソウゴ「アバババババババババババババババ!?」


内歯をノコギリに見立て、相手の頭を切断しようとばかりに自分の頭を押し引きさせる技。これが『ギコギコスラッシュ』だ。
霊夢は正邪の能力を理解していなかった。異変で対峙した時、正邪のスペルカードのほとんどは自分が思っていた動きが逆になるだけで、たいしたものではなかった。


霊夢(でも……もしこれがこの勝負で使われたら……)


ジャンケンといえばご存知のように、グーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーはグーに勝つ。しかし、彼女の場合その常識が逆になる。
例えば彼女と仮にジャンケン勝負をする時。自分がグーを出せば目潰しかしっぺ、チョキを出せばビンタ、そしてパーを出せば鉄拳を顔面に食らう。
深く考えた結果、この能力が真価を発揮すればソウゴのみならず他の甲虫も恐ろしい事態に巻き込まれかねない。


霊夢「………舐めていたわ、あなたの能力を!!」

ゲイツ「オラァ!!」

ソウゴ「ぁ………」


放り投げられたソウゴは霊夢にぶつからんばかりにすぐ近くに倒れ伏した。霊夢は心配そうな声をかけながら意識を戻そうと大きく揺すぶる。


ソウゴ「ま……マジで痛かった………」

霊夢「よかった、生きてたのね!それよりソウゴ、話を聞
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