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片目の猫達の幸せ
第二章
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「この子雄でクリっていいます」
「クリちゃんね」
「はい、元は野良なんですが拾って」
「貴方の家族になったのね」
「そうです、病気で左目が見えなくなって」
 それでというのだ。
「こうなってます、ですが」
「ですが?」
「そんなハンデものとしないで」
 クリはというのだ。
「いつもこうして海でサーフィンをしています」
「猫が?」
「はい、サーフィンが好きで」
 それでというのだ。
「僕と一緒にいつもです」
「猫がサーフィンね」
「命綱を付けて」
「それは面白いわね、じゃあこれからも」
「はい、一緒に海で遊びながら」
 そのうえでというのだ。
「暮らしていきます」
「そうなのね、いい家族に巡り合えたわね」
 サバンナは青年の話をここまで聞いてだった。
 クリに顔を寄せて頭を撫でた、そうして彼女に笑顔で言った。
「これからも幸せにね」
「ニャ〜〜〜」
 クリは愛想よく鳴いて応えた、サバンナはホノルルでも嬉しい出会いを経験した。
 そしてカルフォルニアでは。
 仕事で知り合ったアレックス=タウラス髭のある優しい顔立ちの男性の家に招待されてそこでだった。
 黒の猫と五匹の雉猫を見た、見れば。
「ニャ〜〜」
「ニャ〜〜ン」
「ウニャ〜〜」
「ウニャン」
「ミャ〜〜」
「ナ〜〜オ」
 雉猫の一匹の右目と鼻の一部がなかった、だが。
 他の五匹と仲良く遊んでいる、アレックスはその猫達を見つつサバンナに話した。
「黒猫はジャガーっていうんだ」
「そうですか」
「この子は雄で」
 性別の話もした。
「雉猫のお母さんはブロッブっていうんだ」
「そういえば雉猫をまとめていますね」
「うん、この娘は元々野良猫だったけれど」
 それでもというのだ。
「僕が拾って」
「家族にですか」
「したんだ、そしてね」
 アレックスはさらに話した。
「四匹産んでね、四匹共雄でバター、ジャム、マーガリンといって」
「そしてですね」
「この子はピーナッツっていうんだ」
 その右目のない猫を見て話した。
「この通りね」
「右目とですね」
「お鼻が少しなくて最初は他の子達の半分位しかなかったけれど」 
 そこまで小さかったというのだ。
「今ではね」
「大きくなりましたね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「皆と元気にね」
「暮らしていますね」
「仲良くね、片目でも」
 例えそうでもというのだ。
「元気で幸せにね」
「暮らしていますね」
「そうだよ、貴女の家の猫のお話は聞いたしホノルルのお話も聞いたけれど」
「片目がなくても」
「命は命だね」
「その通りですね」
「大切にしていかないとね」
「本当に」
 サバンナはアレックスの言葉に笑顔で頷いた、そして彼の
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