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麗しのヴァンパイア
第三百六十四話

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             第三百六十四話  プリンを食べた後で
 プリンを食べ終えてワインも飲み終えた、そしてカーミラはまた本を読みはじめたが使い魔達にプリンの話をさらにした。
「普通のお店で売られている安いプリンも」
「絶品なのですね」
「ご主人様にもそう言わせる」
「そこまでのものですね」
「そう、欧州の高級レストランのものにも匹敵するわ」
 その味はというのだ。
「まことにね」
「だからですね」
「デザートも楽しまれますね」
「プリンも」
「そうなのですね」
「その他のものもよ。和菓子も」
 これもというのだ。
「普通ではね」
「味わえないですね」
「そこまでの味ですね」
「欧州においては」
「高級レストランにも匹敵しますね」
「そうよ、だからね」
 カーミラは本を読みつつ優雅に話した。
「私もこれからもね」
「召し上がられますね」
「日本のプリンを」
「そしてゼリーを」
「他のお菓子もね」
 プリンやゼリーだけでなくというのだ。
「そうしていくわ、お菓子だけでもね」
「日本に来られてよかった」
「そう言われますね」
「この国に来てよかった」
「その様に」
「ええ、そしてね」 
 使い魔達にさらに話した。
「普通のチーズもよ」
「ウォッシュチーズはないですが」
「それでもですね」
「チーズも美味しいですね」
「先程もそう言われていましたね」
「私は嘘は言わないわ」
 その誇り故にだ、吸血鬼それもその支配する立場にあるのでカーミラも極めて誇り高くそれに反する行動は取らないのだ。
「食べもののこともね」
「日本の食べものは美味しい」
「だからこれからもですね」
「日本におられ」
「そうして楽しまれますね」
「他の国に行く気はないわ」
 こうも言うカーミラだった、そして日本語の本をすらすらと読んでいく。それはネイティブと変わらないまでであった。


第三百六十四話   完


                   2021・4・29
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