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二匹の犬達の絆
第二章

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「動けない子は雌で動ける子は雄で」
「外見はそっくりですし」
「どうも兄妹みたいですね」
「そうですか」
「はい、それで」
「ああしてですか」
「守っていたと思います」
 こう言うのだった。
「どうも」
「そうだったんですね」
「それで完治して」
「それからですか」
「後は」
「はい、名前を付けて」
 そしてとだ、スタッフは答えた。
「里親もです」
「探してくれますか」
「そうさせてもらいます」
 こう獣医に話した。
「こちらで」
「宜しくお願いします」
 こうしてだった、犬達は保護されたうえで治療を受けたが。
 ここでだ、スタッフ達に連絡をした男の人が施設を訪問して言ってきた。
「あの子達ですが」
「治療は順調です」 
 若いスタッフが彼に笑顔で答えた。
「完治します、そしてもう一匹がです」
「怪我をした子のですか」
「いつも傍にいてくれています、どうも兄妹らしくて」
「そういえば外見がそっくりですね」
「雄の子はパンダ、雌の子はルーシーと名付けました」
 名前の話もした。
「そうでした」
「そうですか、完治したら」
 それからのことをだ、彼はスタッフに話した。
「私が二匹共です」
「あの子達をですか」
「引き取っていいですか」
「はい」
 そうしたいというのだ。
「是非」
「そうしてくれますか」
「宜しいでしょうか」
「お願いします」
 是非にとだ、スタッフは答えた。
「保護してもらえるならです」
「二匹共ですね」
「そう願っていましたし」
「それではですね」
「宜しくお願いします」
「わかりました」
 男の人は笑顔で答えた、そしてだった。
 二匹はルーシーが退院するとすぐに男の人に引き取られた、そうして兄妹で幸せに過ごしたのだった。
 その施設のスタッフの一人が幸運なことに景品で当たった旅行でアメリカワシントン州に行った時にだった。
 レストランで食べている時にその話をすると店のシェフ兼オーナーのポーリン=ペレス分厚い唇に丸い目で面長の顔のアフリカ系の彼が言ってきた。
「兄さん時間あるかい?」
「デートのお誘いですか?」
「違うよ、俺は今日もうすぐあがりだからな」
 ペレスはスタッフに笑顔で話した。
「だからな」
「それで、ですか」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
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