暁 〜小説投稿サイト〜
異生神妖魔学園
出雲紺子の過去
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
も餌が見つからなくてごめんよ。人間の食べ物で我慢しておくれ)


残飯で飢えをしのいでいだ。時には作物を失敬することもあった。


人間「コラー!!盗っ人狐めー!!」


作物を盗むところを何度か人間に見つけられることもあったが、いつも村と洞穴よりかなり離れた場所へ逃げ隠れていたので決して捕まることはなかった。
そこで2匹は安心して新鮮な作物を口にすることができたのだった。





そんなある日、子狐にとって絶望の時が訪れるとは夢にも思わなかった。
今にも雨が降り出しそうな空模様に狩りを終えた母子は急いで洞穴へ向かっていた。ところが子狐の方が急に足を止め、興味本位で村の方へ駆け出した。


母狐(どこへ行くの!?雨が降ってもおかしくない天気なのに!)

子狐(あっちで人間が騒いでるから行くだけなの!)

母狐(ダメ!戻ってらっしゃい!あいつらに捕まったら二度と生きて戻れないよ!)

子狐(嫌だ!)


村へ駆け出す子に母は連れ戻そうと追いかける。到着した子が見ていた先はEVOLUTION SPACEの常連客、言峰貴利矢と同じ陰陽師と妖怪が互いに睨み合っていた。
妖怪を相手に冷静に戦う男の髪型は金髪混じりの短髪。黒い鳥の羽根でできた着物を着て、貴利矢同様袴と立烏帽子を身につけていた。


陰陽師「腹が減った…お前を腹の足しにしてやろう」

妖怪「キルルルッ、キャキャキャキャキャッ!」


不気味な鳴き声が妖怪の喉から絞り出されるように出る。
だが陰陽師は怖じ気づかず冷静に刀を抜くと、刃先を妖怪に向け、間合いをとる。


陰陽師「妖刀『骸喰(むくろくらい)』の餌食となりし時、お前の体は私の身体と妖力を向上させる糧となる」


妖怪を睨みながら呟いたその時、雷が鳴り始める。同時に雨も降り始める。
先に襲いかかったのは妖怪の方だった。陰陽師はすかさず骸喰を妖怪の腹に突き刺す。


妖怪「ギギャア!?」


かなり効いたのか、妖怪は激痛のあまり変な声をあげる。血が地面を赤く染め上げ、降る雨が血を薄め、雷によるまばゆい閃光が陰陽師と妖怪を不気味に照らした。
子狐は構わず陰陽師と妖怪の戦いを見ていたが、ようやく自分の子を見つけた母狐が洞穴へ連れ戻しに迎えに来た。


母狐(坊や!)

子狐(お母ちゃん!)

母狐(雷に打たれたんじゃないかと心配してたけど無事だったんだね!)

子狐(そんなことよりお母ちゃん、あれ!)

母狐(まあ……あれは人間と妖怪?人間の方が上回ってるけど……)



ピシャアッ



子狐(!!!!!)


子狐のすぐそばで雷が落ちる轟音が響いた。驚きのあまり、思わず転ぶ。


陰陽師「!?」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ