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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
砂漠編 喧嘩のついでに町を救った男達
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く飲み込んでしまうのだ。少女の懸命な説得にも耳を貸さず、町民達は「絶対的な死」へと吸い寄せられていく。

「……神、様ぁっ」

 その光景に頬を濡らし、苛烈な陽射しを仰ぐ彼女は。か細く白い指を絡め、ただ懸命に祈りを捧げていた。
 今は亡き町長の、一人娘として。

「どうか、どうかこの町を……皆を、助けてっ……助けてくださいっ!」

 決して届くことなどないのだと知りながら。それでもなお、縋るように。

 ◇

 ――未完成の「翡葉(ひよう)の砦」を戦場とする、カムラの里の命運を賭けた死闘から約半年。

「だあァッ、ほんっと最悪だぜ! よりによってお前と同じ竜車に乗り合わせるなんてよッ!」
「奇遇だな。俺もまさか、お前がまだ生きているとは思わなかったぞ」
「んだとォ!?」
「お前らなぁ……」

 レウスシリーズを纏うアダイト・クロスター。リオソウルシリーズを装着しているディノ・クリード。そして、ゴシャシリーズで全身を固めている、ドラコ・ラスターの3人は。各々の旅先で、思いがけない再会を果たしていた。

 砂漠を抜けた先にある都市を目指し、商隊(キャラバン)の竜車に便乗していた彼らは、偶然行き先が同じだったのである。
 新たな装備を揃えるため。武者修行のため。理由は様々だが、目的地は完全に一致している。本来なら同期として互いの無事を喜び合い、和気藹々とした雰囲気になっている……ところなのだが。

「ただでさえ竜車の中でも、クーラードリンクが必要になる暑さなんだぞ。今ぐらいそのバカでかい声を我慢出来んのか、この阿呆が」
「お前の減らず口が絶えねぇからだろうが! 今度こそ決着付けてやろうか!?」
「そうしたいのならさっさと掛かって来い。俺はいつでも構わんぞ」
「お、おいドラコ! 竜車の中でバタバタ騒ぐなよ! ディノも煽るようなこと言うなってのッ!」
「……ふん」
「ハンッ!」

 訓練所時代から何かと反りが合わず、衝突が絶えなかったディノとドラコはまさしく犬猿の仲であり。和気藹々どころか、一触即発の状態だったのである。
 仲裁に奔走するアダイトも、彼らの喧騒を背に竜車の手綱を引く御者も、絶え間ない口喧嘩にすっかり辟易している。

「……んっ? な、なんだありゃあ! モンスターかぁっ!?」
「なに……!?」
「モンスターだって!?」

 その状況が一変したのは、竜車がオアシスの近くを通り掛かり。いよいよディノとドラコの対立が、殴り合いに発展しようとしていた時であった。

 竜車目掛けて突進してくる「鳥竜種」の影に御者が悲鳴を上げた瞬間、3人の少年の眼が「ハンター」としての色を帯びたのである。

「ディノ、ドラコ!」
「……あぁ」
「おうッ!」

 それまで喧嘩ばかりしてい
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