暁 〜小説投稿サイト〜
エルフと結婚
第五章

[8]前話 [2]次話
「そのよし悪しを」
「それがどうかしたのか」
「そのことを理解出来るのは同じ域の人だけですね」
「それだけの資質があってこそか」
「左様ですね」
「それはな」
 その通りだとだ、侯爵も頷いた。
「その通りだ」
「ですから旦那様が私に及ばないことはです」
「ないか」
「はい、そして」
 カターニャはさらに話した。
「言うなら私は軍師です、軍師の言うことを決められるのは」
「主か」
「そうですね」
「そして軍師が偉いのではないか」
「軍師は意見を言うだけです」
 それのみだとだ、カターニャは微笑み謙虚な言葉で答えた。
「そのよし悪しを見極め決められるのは」
「主か」
「そして旦那様は主です。私の言葉を認めて下さったからその様にされましたね」
「それはな」
 その通りだとだ、侯爵は確かな声で答えた。
「また言うが私は内政の家で生まれ育ちな」
「内政を学ばれて」
「内政で国に奉職してきた」
「それ故にですね」
「わかる」 
 内政についての政策のよし悪しがというのだ。
「その自信がある」
「経験に基づいて」
「確かにな。それでか」
「はい、旦那様が認めて下さったので」
 自分の意見をとだ、カターニャはまた答えた。
「私の考えが生きています。そしてそのことが」
「そなたも嬉しいか」
「そうなのです」 
 まさにというのだ。
「実に」
「そうなのだな」
「はい、これからの私の考えがいいと思われれば」 
 その時にというのだ。
「宜しくお願いします」
「それではな。だがそなたを妻に迎えてよかった」 
 侯爵は妻の言葉を受けてから自分から述べた。
「実にな」
「それは私の政への考えがいいからですか」
「最初は国同士、種族同士、家同士の結び付きを強める為のな」
「貴族の家の結婚でしたね」
「それに過ぎないと思っていた」
「私もです。実は人間との結婚は」
「そなたもそう思っていたか」
 侯爵はこのことは妻もかと思いつつ述べた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ