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火事から救われた猫達
第二章

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「けれど今ではね」
「こうしてですね」
「幸せよ」
「そのことを見られて何よりです」
 助けてよかった、コールマンはこう思って応えた。心から喜びながら。
 コールマンはカナダでの研修を終えるとアメリカに戻った、そして働いていく中で山火事の消火活動にも参加した。
 山火事の消火は戦争の様だった、だが何とかだった。
「収まったな」
「そうですね」
 コールマンは周りを見つつ上司に応えた。
「何とか」
「大変だったけれどな」
「ええ、それで後は」
「救助と復興だな」
「そっちの方が大変ですね」
 そうした話もした、そして。
 消し忘れやボヤがないか歩いて確かめていたが。
 そこで一匹の猫が来た、その猫は灰色の猫だった。
「ニャ〜〜〜」
「山にいたんですね」
「ああ、野良猫だな」
「そうですね、それじゃあ」
「この子も助かったしな」
「救助しますか」
「そうするか」
 コールマンと上司は二人で話してだった。
 その猫を保護した、猫は雌でコールマンに擦り寄り抱えられると喉をごろごろと鳴らした。それを身てだった。
 コールマンは上司に言った。
「こいつ僕が家族にします」
「保護してか」
「そうします、僕に懐いてますし」
「そういえばお前はカナダでも猫を助けたな」
「ええ、ガレージが燃えた時に」
「そうだったな、それで今度はか」
「こいつを引き取って」
 そうしてというのだ。
「家族にします」
「そうか、じゃあ幸せにしてやれよ」
「そうします、じゃあお前の名前も付けるな」
 コールマンは抱きかかえている猫に言った。
「こんな中で救われたからラッキーだ、それでいいな」
「ニャア」 
 猫はそれでいいという感じで鳴いた、コールマンはその鳴き声を聞いて笑顔になった。そうしてだった。
 ラッキーを家に迎え入れると共に幸せに過ごした、消防署員として働きながらの彼女との生活は最高のものだった。そして命を助けることがどれだけ素晴らしいことであるかということも実感するのだった。


火事から救われた猫達   完


                   2021・6・26
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