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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦
【著名な戦闘】ヴァンフリート4=2防衛戦(6)~タバル・ヒルの戦い(前)〜
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 さて、艦隊参謀部とリューネブルクが何故これほどに頭を抱えたのかというと、結論から言えば“グリンメルスハウゼン艦隊だから”という事に帰結する。
 正規艦隊だけであれば同盟軍より多少の問題はあろうと保安担当やらを動員すれば相応の臨時陸戦隊を組織できる。
だが諸侯軍はーー特に弱小貴族はーーそもそも“陸軍を輸送する為の艦隊”がほとんどである。
 貴族軍は地上指揮官(一定規模を下回った場合は例え200名程度であろうと連隊所有者と称される)と私領宇宙軍司令官は同じ領主であり、臨時陸戦隊であろうと彼らは自ら【私有財産】の指揮を執りたがる。
これを責めるのも酷である、有力門閥に連なるならともかく、左様でなくば集権化を悲願とするリヒテンラーデら中央官僚は代償を常に求めるのだから――貴族は帝国の潜在的な脅威として中央政府からは敵視されている。

「待て!どうして我々がバーデニー男爵の指揮下なのか?」

「なんだと!我が祖父は統帥本部次長も務めた名門であるぞ!ピラースドルフ子爵家なぞオトフリート四世陛下の女衒の真似事をした騎士上がりではないか!」

「誰が女衒だ!取り消せ!!」

「取り消して欲しいのなら決闘でも挑むべきだな!卿の配下になぞそれこそ取り消させてくれる!」

「えぇい落ち着け!ピラースドルフ子爵!バーデニー男爵!」

「ラサン男爵の指揮下に我々をだと!?リューネブルク!私はサジタリウスを席巻した、かので“親征帝の15元帥”が一人ゴルツ男爵であるぞ!卿の中で“親征帝の15元帥男爵”の序列はどうなっておるのか!?」

「黙れ!新参者が!なぁにが『15元帥』だ!我々の目上のような顔をしおって!我が父祖は大帝陛下のお若き頃から輔弼し、国家革新連盟のラサン管区指導者を務めたのだぞ!」

「ラサン?アウターリムではないか!よくもまぁ鄙びた地域の爵位で家格を誇ろうなどと――」

 そして“階級の不均衡”はこうして生まれる。
そして何よりも性質が悪いのは辺境や下級貴族の大半は大佐止まりで退役することが多い事である。理由は単純であり将官の席を得るには相応の”武勲か財源”が必要だからだ。

 一個小隊を超える下級貴族の大佐とそれにうんざりした正規軍将校団がリューネブルクとラインハルトの下で10万の軍勢を切り盛りし戦う事になる。


「えぇい各々方、静まらぬか!リューネブルク卿!
我々に説明されよ!」
 幸いと言えるのは“真っ当な退役将校”であるフランダン伯爵大佐が家格、武勲とも一段上にあったことである。否、幸いではなく必然であった。この男はその為に艦隊参謀長が声をかけたのだから――つまりはリューネブルク陸戦監にその手の能力を欠片も期待できないという冷徹な見切りがあった。

「リューネブルク卿!そもそも――これは艦隊の配置
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