暁 〜小説投稿サイト〜
イベリス
第十話 アルバイトその三

[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「はじめてだろ」
「けれどいいことだからね」
「頑張ってくるんだぞ」
「真面目に働いてくるのよ」
「そうするわ。真面目に働いて」
 そうしてとだ、咲は両親に答えた。
「お金稼ぐはね」
「お金を稼ぐだけじゃなくてな」
 父はそう言う娘に笑って話した。
「世の中の色々なことも知ってな」
「そしてなの」
「学ぶんだ」
「世の中のこともなの」
「それが仕事なんだ」
「お金貰うだけじゃないの」
「そうだ、色々経験もするからな」
 だからだというのだ。
「働くことはいいんだ」
「そうなのね」
「だからな」
「アルバイトはいいのね」
「仕事はな」
「そうなのね」
「自分を磨くことにもなる」
 仕事はというのだ。
「だからどんどん働いてこい」
「そうするわね」
「そしてな」
 父はさらに言った。
「今以上に人間としてだ」
「成長するのね」
「そうなるんだ」
 こう娘に言った。
「仕事の中の経験を積んでな」
「だからなのね」
「頑張ってな」
「働いてくることね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうして来い」
「お母さんもそう思うわ。お母さんもパートしてるでしょ」
 母も言ってきた。
「そうしたらね」
「パートでもなのね」
「その中でね」
「やっぱり経験を積んで」
「自分を磨けるのよ」
「そうなのね」
「だからね」
 それでというのだ。
「働いてきなさい、ただお金を稼いでも」
 母は娘にこうも言った。
「無駄遣いはね」
「駄目よね」
「お金があってもよ」
 それでもというのだ。
「無駄に使うことはね」
「駄目よね」
「貯金して」
「いざという時に置いておく」
「そうよ、お金は大事よ」
「何といってもね」 
 咲もお金のことはその通りだと頷いた。
「だから無駄遣いなんかしたら」
「幾ら持っていてもね」
「あっという間になくなるわね」
「ほら、五十億以上稼いだ野球選手いたでしょ」
「あの刺青入れた」
 咲は母が今言った選手が誰かすぐにわかった、それでその選手の顔を脳裏に思い浮かべながら母に応えた。
「覚醒剤もやってた」
「あの人自分が稼いだお金何処に行ったってね」
「言ってるの」
「今お金なくてね」 
 そうした状態に陥ってというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ