先立つ"砂崩し"
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る由もない。
「あら,よく知ってるじゃない。けれどこれはただの転生忍術じゃない……命を吹き込むのではなく,魂を浄土から呼び寄せて己の意のままに行使する。生贄となる命も,自分以外の人間を使えばいい。」
「そんな都合の良い術があるものか。一体,どんなハリボテで生き返らせたと誤魔化すつもりだ。」
「クク……ハリボテかどうか,その目でとくと見なさい。そして覚えておくといいわ……あの世で誰かに話す機会があるかもしれない。」
ギィィ……ガコッ!
二つの棺桶が,古びた音を立ててゆっくりと開く。その中から足を踏み出した人物を見て,羅砂は目を見開いた。
「……!?まさか……」
「これで疑いは晴れたかしら。」
「初代様……!それに……三代目……黒阿先生……!?」
羅砂だけでなく,左右に控える従者たちも驚きを隠せない。棺桶の中から出てきた者……その姿は,砂隠れ上層部たちの会議室にそびえ立つ,先代風影の石像そのものであった。
「まさか,本当に……!初代風影・烈斗様……!失踪して行方不明だった,三代目様まで……!!」
初代風影,烈斗。存命中は忍界最強の風遁使いと言われ,その圧倒的な強さで砂漠の忍たちを纏め上げた。更には外交戦略として寺の僧兵らとも同盟を結び,里の基礎を築き上げた人物である。
※原作648話にて登場。能力の設定は本作オリジナル
そして羅砂の師にして三代目風影,黒阿。一尾・守鶴の力をヒントに磁遁忍術の開発に成功し,歴代最強の風影と謳われた人物である。彼が開発した磁遁は弟子の羅砂へと受け継がれたが,十年以上前のある日突然消息を絶ち,死体も見つからず長らく行方不明のままであった。
※名前は本作オリジナル
「ああ,アナタたちはまだ三代目のことを知らなかったのね……もうずいぶん前のことよ。」
「お前が殺したのか……!」
嘲笑うかのような大蛇丸に対し,羅砂は鋭い視線で睨みつける。
「いいえ,私はただ遺伝情報を少しばかり頂いただけ……,殺したのはアナタたちもよく知ってる人物よ。」
「誰だ。」
「さて,長話もこのくらいにしましょう。話の続きが聞きたければ私に……,いえ,先代に勝つことね。」
大蛇丸は未の印を結び,すでに自我を縛ってあった二人の穢土転生体を操る準備をする。
「サハラ!ゴビー!」
羅砂は護衛の忍たちに戦闘開始の合図を出す。
「はっ!」
バッ!バッ!
二人はそれぞれカブト,君麻呂に向かっていく。
「大蛇丸!不意を突いて優位に立ったつもりか?この里で俺に挑むこと自体,とんだ失策だと気づくべきだった!地の利はこちらにある!」
バッバッバッ!
「"流砂瀑流"……磁遁・砂金大葬!!!」
羅砂が印を結んで唱えると,周
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