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犬も輪廻転生の中に
第二章
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「レイっていってな、タイヤで遊ぶのが好きだったんだ」
「そうですか」
「それでも寿命でな」
 亡くなったというのだ。
「暫く経ってこいつを迎えたら」
「そっくりだったんですか」
「タイヤ好きなところも何もかもな」
「あの、この子の産まれた時は」
 茂樹はレロンにこのことを問うた。
「そのレイちゃんが亡くなった」
「そのすぐ後だったよ」
「じゃあ」
「そうかもな、キリスト教は生まれ変わりはないって言うけれどな」 
 それでもとだ、レロンは茂樹に真剣な顔で話した。
「レオンはな」
「レイちゃんのですね」
「生まれ変わりかもな」
「ワンワン」
 レオンは楽しそうに遊んでいる、その彼を見ながら話した。
 茂樹は他にも雌のビーグル犬と会う機会も得た、レモンカラーという色合いの犬で名前はハナといった。
「レモンカラーは茶色と白ですが」
「その色合いなのよ」
 家の奥さんが刺激に話した。
「ビーグル犬はね」
「本来は三色で」
「二色だとそう言うのよ」
「そうなんですね」
 奥さんに応えながらハナを見るとだった。
 見れば身体の一部にその茶色と白のハート形の模様があった、茂樹は奥さんにその模様について聞いた。
「ハート形の模様がありますね」
「そうでしょ、実はね」
 奥さんは刺激に笑顔で話した。
「この娘のお祖母さんにもあったのよ」
「この模様が」
「そうなの。この娘はお祖母さんが亡くなった直後に生まれたけれど」 
「そうしたらですか」
「レモンカラーも同じで模様もね」
「そのままですか」
「同じ場所にあったのよ、だからね」
 その為にとだ、奥さんは茂樹にさらに話した。
「私もうちの人もハナはね」
「お祖母さん犬の生まれ変わりですか」
「そうじゃないかって言ってるの」
「そうかも知れないですね、うちの娘も」
 美咲のことも思い出してだ、茂樹は応えた。
「前に行った家でも」
「そんな子がいたの」
「はい、犬も生まれ変わりがあるんですね」
「そうみたいね、キリスト教の教えではないけれど」
「そうかも知れないですね」
「ワン」
 ここでハナも鳴いて応えた、そしてだった。
 茂樹は彼女の頭を抱いて笑顔になった、そうして日本に戻って両親にこの二つの話をした。すると両親は彼に言った。
「そうだな、美咲もそうだしな」
「やっぱりあるのよ、生まれ変わりは」
「人も犬もな」
「魂はそうなっているのよ」
「そうなんだな、皆そうなるんだな」
 輪廻転生、茂樹はこれを実感した。そうして。
 美咲を散歩に連れて行った、美咲はこの時もそのままだった。ココロの動きでありココロと呼ぶと嬉しそうに振り向いたのだった。


犬も輪廻転生の中に   完


             
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