暁 〜小説投稿サイト〜
ライブジャスティスシリーズ
鏑木ハイドライブ/大地の王
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蝕篇帙のページをめくるアイザック。

記された項目にはペンのインクが滲んだように文字が消えていた。

アイザック「シスター、余計な事をするのは勝手だが、私の配下を侮らない方が良い。そうだろう。二ベルコル」

アイザックの後ろでローストビーフを切り分ける一人の少女。

贋作精霊にして神蝕篇帙の力の一つ、二ベルコルがアイザックに微笑みかける。

二ベルコル「お父様の命令であれば何でもしてあげますが、余り焦らさないでくださいね」
アイザック「贋作とは言え実に良く出来た娘だ。だが従うだけでは欲しい物は手に入らないよ」
二ベルコル「あら、意地悪なお父様ですね、でも背徳感が最高」
アイザック「相手にしてやりたいが客を待たせてるのでね、この場は外してくれないかな?」
二ベルコル「それじゃあ、失礼します」

黒い煙と共に消えていく二ベルコル、アイザックはグラスにワインを注ぎ始めた。

コンコンッ!!

アイザック「入り給え」
カリオストロ「随分なもてなし様ね」
アイザック「二人で語らうなら十分な心遣いが必要だろう?」

アイザックの隣に座り、グラスを揺らすと静かにワインを口にした。

カリオストロ「良い銘柄のワインをお持ちなのね」
アイザック「君の為にコレクションから一本持ってきた、君がいなければグランドキングの建造も今と違う物になっていただろう。パヴァリアの優秀な錬金術師として君を贔屓してるのさ」
カリオストロ「確かに聖遺物以上に興味深いものね、そのレイオニクスの力。あなたは適応できたみたいだけどどうやって適応したの?」

アイザックは神蝕篇帙をカリオストロに見せつける。

アイザック「デウス・エクス・マキナの研究施設では神蝕篇帙で作り出された贋作精霊、二ベルコルを実験体として使い、レイブラッド星人の遺伝子がどれだけ適応できるか否かを調べていた。結果、人間の身体ではレイオニクスの力に適応できる確率 0.1%だった。とても人間では扱えない呪いの力だ。だが私は神蝕篇帙の霊力で遺伝子を強制的に中和しているため、不安定ではあるが力を扱えている。まあ、少し間違えれば遺伝子情報ごと破壊されるのだがね」

カリオストロ「じゃあ、その研究の過程で人間は使われていないの?」


アイザック「それについてはいずれわかるさ、グランドキングが完成したその時にね」
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