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真・恋姫†無双〜俺の従姉は孫伯符〜
月様+詠さん×皆=董卓軍の誓い
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の言葉に同意するねね。それほど、俺達は激怒しているということだ。いい加減にしろよ、袁紹……!
 

「自分も落ち着かんかい、雹霞。貴重な冷静武将がこれ以上減ってしまうのは堪忍やで」
「……すみません、姐さん」

 どうやらいつの間にか怒りが表情に出てしまっていたようだ。姐さんは俺に声をかけると、優しくそっと頭を撫でた。……ぐ、恥ずかしい……。いつも思うのだが、なんで姐さんは俺の頭を撫でたがるのだろう。そんなに弟気質だろうか。少し自分を見直してみるか。

 
「……霞に頭撫でられて鼻の下伸ばしてんじゃないわよ。この変態」
「へ、変態じゃありませんよ! 失礼ですね詠さん!」

 この人も姐さんくらい優しく接してくれてもいいのにと切実に思う今日この頃である。
 

「しっかし……結局どないすんねん。むこうさんは少なく見積もっても三十万はくだらない超大群やで? 対してウチらの戦力は休暇のヤツ引きずり出してきても二十万がいいところや。普通に考えて、勝ち目なんてほとんどないで?」
「分かってるわよ、勝率が皆無なことなんて。でも、負けるわけにはいかないのよ。……絶対に、ね」

 詠さんの重々しい呟きががらんとした大広間に木霊する。そんなことは、全員が承知していた。誤解を抱いたまま攻め込んでくるような馬鹿共に、負けるわけになどいくはずがない。
 俺含め、全員がしんと静まり返った。皆、一様に考えていたのだ。圧倒的戦力差、および劣勢状況を覆す方法を。頭が残念な恋さんや華雄さんまでもが、必死に考えを巡らせている。
 ――――そんなときだった。

「あ、あの……ごめんなさい」
『…………は?』

 突然頭を下げた月様に、俺達は目を丸くする。洛陽の統治者が部下に頭を下げるなんて、絶対にあってはならないことだ。
 しかし、月様は何度も頭を下げながら言葉を続ける。

「私のせいで……私なんかのせいで、皆さんにご迷惑をおかけしてしまって……」
「なっ……なにを言っているんだ月様!」
「せや! なにも月ちんが謝る必要はないで!?」
「悪いのは連合軍なのです! 月様は微塵も悪くないのですよ!」
「……月、無実……」

 沈んだ表情のまま謝罪の言葉を並べ立てる月様を、周囲の武将達が慰めていく。しかし月様の表情が復活する様子はない。未だ顔を俯かせたまま、「ごめんなさい」を繰り返している。
 ……マズイ状況だ。仮にも主である月様がこんなに弱気なのでは、軍の士気が下がってしまう。ただでさえ不利な戦況なのに、これではさらに勝ち目が薄くなってしまう。 
 早く月様を元気づけなければ。姐さんたちに加勢しようと、口を開こうとした時――――

 パァンッ!! という甲高い音と共に、月様の顔が勢いよく右を向いた。

「え……?」

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