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イベリス
第六話 入学式の後でその六

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「本当にいい人って思ったら」
「その時は」
「アタックよ」
 愛はここでは一言で言った。
「いいわね」
「その時はなのね」
「うちのお父さんとお母さんもそうだったし」
「私のお父さんとお母さんも」
「だから結婚して今もね」
 その時だけでなくというのだ。
「一緒にいるのよ」
「そうなのね」
「そう、そしてね」
「付き合ってもいいの」
「そうしたらいいのよ」
 こう言うのだった。
「いいわね」
「私が恋愛なの」
「そう、恋愛はね」
「恋愛は?」
「そう、恋愛はね」
 それはというのだ。
「経験してね、まあね」
「まあ?」
「私もまだだけれど」
「そうなの」
「けれど言うわよ」
「恋愛もなの」
「経験してね」
 こう言うのだった。
「まあ中には酷い経験もあるけれどね」
「酷いっていうと」
「だから失恋もね」 
 これもというのだ。
「あるから」
「失恋、ね」
「若し失恋したら私のところに来てね」
「お姉ちゃんのところに」
「どんな酷い目に遭っても」
 それでもとだ、愛は咲に笑って話した。
「いいわね」
「その時はなの」
「私のところに来てね」
「話していいのよ」
「何でも聞くから」
「失恋のことも」
「そう、何があってもね」
 こう従妹に話した。
「そうしてね」
「そんな時来るかしら」
 咲には実感がなかった、彼女はまだそうした経験がないのでどうしても理解出来なかったのである。
 それでだ、こう愛に言った。
「私にも」
「恋愛は何時来るかわからないわよ」
「そうなの」
「そうよ、急に誰かと出会って」
 そしてというのだ。
「恋に落ちるなんてね」
「あるの」
「私もそうしたものを見てきたから」
「じゃあ失恋も」
「見たわよ、酷い振られ方して泣いた娘もね」
「そうだったのね」
「男の子でもいたわよ」 
 失恋、それを経験してというのだ。
「それを囃し立てることもしないし」
「お姉ちゃんそれはしないわね」
「人を傷付けるから」
 だからだというのだ。
「それでよ」
「しないわね」
「絶対にね」
 それはというのだ。
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