暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第七十七部第五章 戦争以上の問題その十

[8]前話 [2]次話
「ですから他の知的生命体と遭遇する可能性は」
「これからもですね」
「非常に少ないですが」
「それでもですね」
「その可能性はありますね」
「そう思います、ですが遭遇すれば」
 その時はとだ、キロモトは話した。
「出来ればです」
「出来れば?」
「出来ればといいますと」
「武力での衝突はです」
 それはというのだ。
「避けられればです」
「最大限ですか」
「避けたいですか」
「閣下はそうお考えですか」
「そう考えています、人類同士の異文明間の遭遇は武力衝突に至る例が多かったです」
 中には常であったという意見もあるが実際はそうでもない、ローマ帝国は後漢に使者を送りそれが遭遇になっている。
 だからだ、キロモトもこう言ったのだ。
「しかしです」
「そこをですね」
「衝突ではなくですか」
「融和ですか」
「その路線を考えておられますか」
「資源と食料、居住できる場所等が充分にあれば」
 それでというのだ。
「人は争わないですね」
「サハラはまた別にしましても」
「あちらはイスラムの預言が関わっているので」
「だからあちらは別にして」
「大抵はそうですね」
「人も国家も生きる為に争います」
 かつては土地と水を巡ってであり全ては生きる為だったのだ。
「何故戦いが起こるのか」
「そう考えるとですね」
「やはりですね」
「資源等が充分あれば」
「争いは起きないですね」
「我々は銀河に出て多くのものを得ています」
 まさに資源等そうしたものを充分にというのだ。
「連合では飢餓という言葉が死語になっていますね」
「そうなって久しいですね」
「他の国々も基本そうですが」
「人類は銀河に出て多くのものを得ています」
「満ち足りている」
「そう言っていいものですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「我々はです」
「他の知的生命体ともですね」
「遭遇しても」
「平和に交流を進められる」
「このことは可能ですね」
「そう考えています、やはり衝突は」
 それはというのだ。
「どうにも」
「よくないですね」
「しかもそれで敵を増やすとなると」
「それならばですね」
「余計に厄介ですね」
「ただでさえエウロパという敵がいます」
 連合の宿敵だ、この国との関係は常に連合中央政府にとっても各国政府にとっても念頭にあることなのだ。
 それでだ、キロモトもこう言うのだ。
「あの国以外にも敵を抱えると」
「国家戦略的に望ましくありませんね」
「どうしても」
「それではですね」
「他の知的生命体については」
「出来るだけですね」
「平和的な交流にしていきますね」
「それがいいかと。ただ私はこう考えていますが」
 それでもというのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ