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イベリス
第五話 入学間近その十一

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「食べながらはよくないけれど」
「今はいいの」
「そうしたら?」
「それじゃあ」 
 咲は母の言葉に応えてそうしてみた、高校時代の彼の画像を検索してみた。ついでに西武時代のそれも。
 そうしてからだ、咲は母にどうにもという顔になって述べた。
「変わり過ぎでしょ」
「別人よね」
「どうしてこうなったのよ」
 そこまで変わったというのだ。
「一体」
「人相が悪くなったわね」
「悪くなり過ぎていて」
 それでというのだ。
「正直驚いてるわ」
「そうなったからね」
 だからだというのだ。
「お母さんも言うのよ」
「本当に酷い変わり方ね」
「悪い見本にしなさいね」
 母は自分のスマートフォンから目を戻した咲にこうも言った。
「その人は」
「絶対にそうするは」
「ああはなるまいよ」
 娘にこうも言った。
「いいわね」
「反面教師ね」
「そう、ああした人はね」
 絶対にという口調で娘に忠告した。
「女の人でもよ」
「反面教師にして」
「やっていくことよ、反面教師も必要なのよ」
「そうなの」
「そう、そうした人を見てね」
 そしてというのだ。
「生きていくのよ」
「健全に」
「ああはなるまいもね」
「大事なのね」
「人間ね、そしてそうした人にはね」
 反面教師にはというのだ。
「自分はね」
「なってはならないってことね」
「ああはなるまいって思った人になったら」
 それこそというのだ。
「こんな馬鹿なことはないでしょ」
「確かにね」
 その通りだとだ、咲も答えた。
「このことも覚えておくわ」
「それじゃあね」
「ええ、高校入学まで僅かだけれど」
 それでもというのだ。
「そのこともね」
「そういうことでね」
 母も言った、そうしてだった。 
 入学をあと少しに控えた咲はそれまでの時間人生の色々なことを母からも教えてもらい頭に入れていった。それからはじまる新しい人生の為に。


第五話   完


                 2021・3・1
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