暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第79話:狩る者と狩られる者
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の背後に移動していた。
 ソーサラーが背後に移動している事に気付いているウィズは、彼に背を向けたままハーメルケインを持ち直すと予備動作無しで振り返りソーサラーを攻撃した。

 その後も、拘束されたアルドをそのままに戦うウィズとソーサラー。

 2人の戦いを、物陰に隠れた“ウィズ”がじっと見つめていた。

「そのまま暫く頑張ってくれよ」

 今ソーサラーと戦っているウィズは魔法で作り上げた分身だ。本物と寸分違わぬ容姿と能力の分身を作り出せる、デュープと言う魔法の効果である。魔力が切れるか分身体が倒されたりしなければあのまま戦ってくれる。

 倉庫の外で激しい戦いが行われているのを尻目に、ウィズは魔法でエアキャリアの中に転移した。倉庫内は監視カメラで死角はないが、エアキャリア内に入ってしまえばこっちのもの。彼は目的を果たすべく静かにエアキャリア内の廊下を歩いていく。

「さて、目的の人物は何処に居るのやら?」

 ウィズは一部屋一部屋慎重に覗き、目的の人物が居ない事を確認した。

 いくつか部屋を覗き、そしてウィズは目的の人物を見つけた。

「ここに居たか……」

 ウィズが入ったのはセレナが寝かされた部屋だった。今彼女はベッドの上で眠りについている。防音が完璧だからか、外での騒動に気付いた様子はない。

 眠ってくれているのなら騒がれる事も無いし楽でいいと、ウィズがセレナに近付き手を伸ばした。

 次の瞬間、セレナの姿はガラスの様に砕けた。いや、セレナだけではない。部屋自体が砕け散り、気付けばウィズはエアキャリアの中ではない別の場所に立っていた。

「ッ!? これは――!?」

 予想外の事態に、しかしウィズは自分が罠に嵌められた事に気付いた。あの部屋は入り口自体が一種の魔法のゲートの様なものであり、セレナは自分を誘き寄せる為の餌だったのだ。

 ウィズが今居るのは何処かの城の中のような場所。品の良い調度品が室内の至る所に置かれている。

「久しぶりだね、ウィズ…………いや、不詳の弟子よ」

 出し抜けに背後から声を掛けられ、ウィズは背後を振り返った。そこには、色以外は彼と瓜二つの姿をした魔法使い――ジェネシスの首魁・ワイズマンが佇んでいた。

 ウィズは姿を現したワイズマンにハーメルケインの切っ先を向けつつ、ワイズマンを中心に円を描く様に動いた。
 それに対し、ワイズマンはその場を動かず両手から赤い光の刃を出した。

「……何故私の動きが分かった?」
「分かったのはお前の動きでは無いよ。だからお前がここに来たのは偶然だ」
「…………あの馬鹿め」

 悪態を吐きながら、ウィズはこの場をどう乗り切るかを考えていた。ハッキリ言って悔しいが、今はワイズマンに勝つ自信が無い。ただで
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