暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
G編
第79話:狩る者と狩られる者
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手に立ち回れるなどと思い上がるのは、虫が良すぎます」

 マリア・切歌・調の3人は確かに装者であり強い。だがそれは所詮個人プレーの強さであり、潜入・捜索・破壊工作などは本業のそれに遠く及ばない。本気を出して捜索されては、組織力で劣る彼女達が逃げ切れる道理はなかった。

 これがウィズ達であれば認識阻害の結界で見つからないようにする事も出来ていたであろうが、生憎とジェネシスにはそこまでの魔法は無い。あれはアルドのオリジナルの指輪であり、ジェネシスにはあれ程の物を作れるだけの作り手が存在しなかったのだ。

「どうするの?」
「踏み込まれる前に、攻めの枕を抑えに掛かりましょう。マリア、排撃をお願いします」

 排撃……それはつまり兵士達を排除しろと言っているに他ならない。自らの手を血で染めろという言葉に、マリアの顔色が変わった。

「排撃って――!? 相手はただの人間、ガングニールの一撃を喰らえば――」
「そうしなさいと言っているのです」
「ッ!?」

 無情なナスターシャ教授の言葉に、思わず息を呑むマリア。
 慄くマリアにナスターシャ教授は容赦なく畳み掛けた。

「ライブ会場占拠の際もそうでした。マリア、その手を血に染める事を恐れているのですか?」
「マム……私は……」

 ナスターシャ教授にマリアは何も言い返す事が出来ない。彼女の言いたい事は分かる。目的を果たす為にはここで彼らを排除しなければならないし、何よりも動けないセレナに危害が及んでしまう。

 正しいのはナスターシャ教授であり、悪いのは煮え切らない自分であるという事はマリア自身分かっていた。

 しかし――――――

「覚悟を決めなさい、マリア」

 ナイフの様に鋭いナスターシャ教授の言葉がマリアの心に突き刺さる。

 直後、爆音と共に工場の壁が爆破された。米軍の特殊部隊が、強行突入してきたのだ。
 もう時間的猶予はない。

「始まりましたね……。さぁ、マリアッ!」
「くっ――!?」

 後に退けなくなった状況に、マリアは遂にその手を血で染める決断を下さざるを得ないかと思った。

 その時、ナスターシャ教授は先程まで居た筈のソーサラーの姿が無くなっている事に気付いた。

「ん? 彼は何処に……?」
「え?…………あッ!?」

 いつの間にか姿が消えたソーサラーの姿を探して周囲を見渡す2人だったが、不意にマリアがモニターを見るとそこにソーサラーの姿を見つけた。

 ソーサラーは既にエアキャリアの外に出ていたのだ。そして彼は、迫る米軍特殊部隊の前に立ち塞がっている。

 突然姿を現したソーサラーに、米軍特殊部隊は動揺を隠せない。本国の各基地が魔法使いの襲撃により壊滅したのは彼らも知るところ。その下手人である魔法
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