第千二百十一話 ありのままだった
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第千二百十一話 ありのままだった
伊藤さんは兎に角飾らない人でした、服装も普段はそうで物腰も食事も趣味も何もかもがそうでした。
それで逆に日本が伊藤さんに尋ねました。
「総理大臣そして枢密院議長、爵位は公爵で」
「地位があるからだな」
「いつも着飾ったり贅沢等は」
「ああ、そんなのいいよ」
伊藤さんは笑って返しました。
「わしの柄じゃない」
「そうですか」
「わしはわしだよ」
笑顔でこう言うのでした。
「だからだよ」
「服装もお食事もですか」
「このままでいいよ」
物凄い粗食で楽しんでいます。
「わしが好きなのは」
「女性ですね」
「ははは、そのことさえあれば」
それでというのです。
「いいさ。元々百姓の倅だったしな」
「そうですか」
こうした人でした、本当に飾らない人でした。
第千二百十一話 完
2021・5・9
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