第千二百九話 呪い殺されかけても
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第千二百九話 呪い殺されかけても
伊藤さんは韓国がかつて李氏朝鮮といった頃に彼の上司が雇った儒学者の人に呪いをかけられたことがあります。
ですがそのことを聞いても。
「李氏朝鮮さんの上司の方は実学を学ばれた方がいいな」
「それだけですか?」
笑って言った伊藤さんに驚いたのは日本でした。
「あの、呪い殺されると」
「呪いで殺されるなら幕末でとっくの昔に死んでるよ」
もう切った張ったのヤクザ映画みたいな状況だったからです。
「わしも色々あったからな」
「あの頃は壮絶でしたね」
「一体何人死んだか」
ここで悲しいお顔にもなる伊藤さんでした。
「そのことを思えば」
「呪いはですか」
「何てことはないさ」
「ではこのことについては」
「わしはピンピンしている」
ここでまた笑顔になりました。
「どうせなら九尾の狐に呪われたいな」
「左様ですか」
こうして呪いのお話は一笑に付されました、伊藤さんのこうした器の大きさもまた魅力的だったのです。
第千二百九話 完
2021・5・8
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