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うずらの卵が
第二章

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 本当に卵が孵っていた、そして。
 そこからうずらの雛が顔を出していた、ピーはその雛をいとおしげに見ている。
「じゃあ後はな」
「この子をなのね」
「ピーちゃんと一緒に育てていくぞ」
「そうするのね」
「そうしていこう」 
 こう言って笑顔で仕事に行った、それから。
 夫婦でうずらの育て方を勉強しながらピーと共にうずらを育てていった、アルバートと名付けられたうずらはすくすくと育ち。
「チチッ」
「へえ、もう立派に成長したな」
「この通りだよ」 
 アルヴィルは最初に有精卵の話をした友人を家に招いてアルバートを見せながら笑顔で話した。ピーの鳥籠の隣の鳥籠で元気に動き回っている。ピーはそんな彼をじっと見ている。
「ピーちゃんが雌でこいつが雄でな」
「親子みたいだな」
「実際にそうだよ」
「それは何よりだ、しかしな」
「しかし?」
「いや、まさかと思っていたら」
「そのまさかだったな」
「ああ」
 本当にというのだ。
「そうなったよ」
「こんなこともあるんだな、僕が言ったにしても」
「まさかだね」
「こんなことになるなんて」
「事実は小説より奇なり、日本の諺だよ」
「まさにその通りだね」
「僕もそう思うよ、それじゃあ」
 アルヴィンはさらに言った。
「これからはこの子とも」
「家族としてだね」
「仲良く暮らしていくよ」 
 アルバートを見ながら笑顔で言った、そして。
 彼は友人にこうも言ったのだった。
「暫くはうずらは食べられないね」
「家族だからね」
「それは出来ないね」
「じゃあ卵はどうかな」
「そちらは無精卵ならだよ」
 食べられる、こちらは大丈夫だと笑顔で話した。そのうえで共にアルバートそれにピーにご飯をあげた。二羽はどちらも美味しそうに食べた。


うずらの卵が   完


                  2021・4・27
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