暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と不思議な蛸
第十一幕その十一

[8]前話 [2]次話
「昔はね、お蕎麦は秋に収穫するから」
「それで、ですね」
「そう、夏はね」
「お蕎麦の保存状態も悪くなって」
「それでね」
「夏のお蕎麦はですね」
「かなり味が落ちていたんだ」
「そうだったんですね」
「けれど今は保存技術も上がったから」
 だからだというのです。
「普通に美味しいよ」
「そうですね」
「だから夏にざるそばもね」
「美味しいんですね」
「秋も美味しくて」
 それでというのです。
「夏もなんだ」
「そうなったんですね」
「そして晩ご飯はだね」
「はい、ざるそばです」
「それにサラダだね」
「王子も呼んで」 
 そしてというのです。
「食べましょう」
「それではね」
「それで王子にもですね」
「赤福餅を渡すよ」 
 トミーにそうしたのと同じ様にというのです。
「そうするよ」
「そうですね」
「うん、しかし帰ったら帰ったらでご馳走なんてね」 
 先生はにこりとしてこうも言いました。
「僕は幸せだよ」
「幸せですか」
「凄くね」
「そんなにですか」
「うん、とてもね」
「ざるそばもサラダも普通にあるお料理で」
 トミーはにこにことしている先生にお話しました。
「これといってです」
「特にご馳走と言ったりだね」
「幸せと言うまでには」 
 そこまではというのです。
「思いますけれど先生はそう言われますね」
「そう、美味しければね」
 それならというのです。
「ご馳走でその美味しいものを食べられたら」
「幸せですね」
「それだけでね」
「先生にとっての幸せは」
「もう周りにね」  
 ご自身の身の回りにというのです。
「幾らでもね」
「ありますね」
「そうなんだ」 
 これがというのです。
「僕の場合はね」
「そうですね」
「何でも幸せだって感じられたら」
「不平不満なく」
「いいよね」
「はい、確かに」
 トミーもその通りだと頷きます。
「そのことは」
「そうだよね」
「幸せは周りにですね」
「そう、すぐ近くにね」
「沢山あるんですね」
「その幸せを見付けてね」
 そうしてというのです。
「楽しめばいいんだよ」
「それがいいんですね」
「そう、それが出来ないとね」
「幸せでなくなりますか」
「世の中どう見ても満ち足りていて」
 そうした生活を送っていてというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ