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星河の覇皇
第七十七部第四章 二度目の引き分けその二十三

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「そうした強さにまでな」
「なってですね」
「そしてですね」
「あの強さを身に着け」
「そのうえで」
「そうだ、狼の中の狼で足りなければ」 
 連合軍に勝つ為にはというのだ。
「まさにだ」
「その域まで、ですね」
「強くなるのですね」
「我々エウロパ軍は」
「そういうことだ」
 他の武官達にこう話した。
「是非な」
「はい、それでは」
「そのことも本国に伝えましょう」
「サハラ自体の考えとして」
「堕落する危惧も」
「それを反面教師とすべきことも」
「報告する」
 観戦武官として、というのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですね」
「我々に活かしていきますね」
「真に精強な軍隊を築く為に」
「その為に」
「そうしていく、そもそもサハラは狼でもだ」
 それでもというのだ。
「餓えた狼だな」
「はい、どういった狼かといいますと」
「そうした狼ですね」
「貧しい中で戦いに明け暮れた」
「そうした狼です」
「餓狼です」
「餓えた狼と言うと強い様に思えるが」
 しかしというのだ。
「その実はな」
「違いますね」
「餓えているとその栄養が届いていなくて」
「身体の成長も悪く」
「力も充分でないですね」
「そうだ、そうした狼だ」
 それが餓えた狼だというのだ。
「しかしだ」
「それはですね」
「それでもですね」
「実は違いますね」
「そうですね」
「そうだ、その狼はだ」
 それはというと。
「栄養が満ち足りよく訓練された狼に勝てるか」
「勝てないですね」
「同じ狼ならば体格に優れ栄養に満ちた方が強いです」
「それもよく訓練されているならば」
「尚更です」
「訓練といっても死闘そのものの訓練ならばだ」
 まさにというのだ。
「餓えた狼を超える」
「その強さは」
「まさにですね」
「そしてそうなるのは我々ですね」
「エウロパ軍ですね」
「サハラの軍勢は今は餓えた狼だ、しかし訓練された狼にはならない」
 准将は言った。
「狼の中の狼が狼王に率いられてもな」
「今のサハラではですね」
「ならないですね」
「そうは」
「そうだ、ましてや連合を学ぶとな」
 エウロパが堕落していると忌み嫌うと言って批判している彼等からそうすると、というのだ。准将はこうも言うのだった。
「狼どころかだ」
「堕落し肥え太り」
「犬になりますね」
「そこから羊に」
「その様になるだろうからな」
 統一されたサハラはというのだ。
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