暁 〜小説投稿サイト〜
イベリス
第二話 はざかいの時その六

[8]前話 [2]次話
「その自分達の子供もね」
「捨てるの」
「どうせ次の子が生まれたら」
「その子を贔屓してなの」
「平気で育児放棄するわよ」
「自分の子供です?」
「絶対そうするわ、だって命を粗末にする人よ」
 だからだというのだ。
「それじゃあね」
「子供でもなのね」
「どうせ旦那さんもそんな人でしょ」
「夫婦でやってたインスタよ」
「じゃあ同じね」
「そうね、私も捨てたって返事見て一気に嫌いになったわ」
「そんな人を嫌わない人の方がおかしいわよ」
 むしろというのだ。
「咲がそこで頷いてたらお母さん怒ってたわよ」
「間違ってるって」
「そうよ」
 その時はというのだ。
「本当にね」
「言ってたのね」
「ひっぱたいていたかもね」
「そこまでなの」
「このことは許せないから」
 だからだというのだ。
「その時は本気で怒ってね」
「ひっぱたいてなの」
「その性根叩きなおすわよ」
「そうするのね」
「自分の娘だからね、けれどあんたはね」
「そんな人達にはならないわ」
 絶対にとだ、咲は言い切った。
「何があってもね」
「ああはなるまいよね」
「その人のインスタの騒動見て思ったし」
「嫌な人達だって思ったわね」
「服まで着せて娘だってちやほやして」
「人間の娘が出来たらポイってね」
「おもちゃじゃないから」
 断じてというのだ。
「ワンちゃんはね」
「あらゆる生きものがね」
「モコがいるから」
 そのトイプードルを見た、ケージの中にいてそこで今は丸くなってそのうえで気持ちよさそうに寝ている。
「その人のインスタ見たけれど」
「同じトイプードルの家族だからよね」
「それでずっとお気に入りにしてチェックしてたけれど」
「そんなことしたらね」
「もう一発で冷めてね」
 気持ちがというのだ。
「嫌になってね」
「お気に入りから外したのね」
「それで黙って炎上見ていたら」
 その騒動をというのだ。
「挙句に閉鎖したのよ、たかが犬一匹で何だって夫婦で書いて」
「犬一匹、ね」
 母の目が怒ったものになった。
「それが全てね」
「その人達の気持ちが出てるのね」
「これ以上はないまでにね」
 そうだというのだ。
「本当にね」
「家族と口では言ってたけれど」
「内心はね」
「たかがだったのね」
「そう、たかがね」
 それこそというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ