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雪の中で子供達を
第三章

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「どの子も寒さにやられるわ」
「そうですね」
「すぐに保護しましょう」
「そうしましょう」
「この子達も寒さと飢えで大変だから」
 アシャ達を思い出しながら言った。
「だからね」
「そうですね、ではです」
「保護して施設に連れて帰ったら」
「すぐにミルクをあげましょう」
「そして温めてあげましょう」
「そうするわよ」 
 こう言ってだった。 
 ナンシーはこの犬それに猫達も保護した、そのうえで彼等を暖かい部屋に入れてミルクを与えて寒さと飢えから解放したが。
 オンタリオのスタッフ達は今も猫達を自分の身体で囲んで温めている犬を見つつそのうえで驚きの顔で話した。
「まさかな」
「犬が猫を助けるなんて」
「自分の子供じゃないのに」
「生きものの種類すら違うのに」
「そうするなんて」
「それが犬よ。犬の女の子の母性は凄いから」
 アシャのことをここでも思いながら話した。
「だからね」
「例え種類が違ってもですか」
「それでもですか」
「護るんですか」
「ああして」
「そうよ、私もまさか猫まで助けるとは思わなかったけれど」
 それでもというのだ。
「頷けるわ、前にもそうしたことがあったから」
「そうなんですか」
「こうして助けたのを見たことがあるんですか」
「そうなんですか」
「私のところでね」 
 そのアシャのことをここで話した。
「こうしたことがあったのよ」
「それは凄いですね」
「この子と同じですね」
「そうしたことがあったんですか」
「それでそう言われますか」
「ええ、犬の母性は凄いわ。その母性に応えて」
 そうしてと言うのだった。
「この子達もね」
「助けますね」
「これから」
「そうしますね」
「全員ね」 
 こう言ってだった、ナンシーは自分が先頭に立ってだった。
 サティと名付けた犬も猫達もそれぞれ無事な状況まで育てそのうえで里親を探した、その結果。
 全ての猫達に里親が見付かりサティも里親が見付かった、ナンシーはアメリカに戻る時に彼女に言った。
「貴女も幸せになってね」
「ワン」
 サティは尻尾を振って応えた、そうしてだった。
 ナンシーは最後に彼女を抱き締め笑顔でアメリカに戻った、そしてアメリカに戻るとどの子も幸せになったと聞いた。そうしてまた笑顔になった。


雪の中で子供達を   完


              2021・4・22
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