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雪の中で子供達を
第一章

[2]次話
                雪の中で子供達を
 アメリカミネソタ州の冬は寒い、アラスカ以外の州で最も寒いとさえ言われている位である。
 その中でナーズランドの保護施設のスタッフの人達は今聞いた連絡に思わず眉を顰めさせて話した。
「まさか」
「こんな寒さの中でかい?」
「幾ら犬でも無理じゃないか」
「外で丸くなっているって」
「凍死するんじゃないか」
「何でそんなことしているんだ」
「雪の平野で」
 こう言って皆首を傾げさせた。
「森に逃げないんだろうか」
「すぐそこにあるのに」
「雪の時は森の中の方がずっと暖かいのに」
「どうしてそうするんだ」
「お話は後にしましょう」
 施設を創設した代表のナンシー=ブルーリー赤髪にグレーの目の初老の長身の女性はスタッフ達にこう言った。
「まずはね」
「はい、現場ですね」
「そっちに行くことですね」
「そして犬を助ける」
「それが第一ですね」
「犬は生きているのよ」
 だからだというのだ。
「それならまずはね」
「そうですよね」
「じゃあ助けに行きましょう」
「そうしましょう」
 スタッフ達も応えてだった。
 現場に急行した、するとそこに。
 薄茶色の耳が立ったやや大型の犬が節減に穴を掘ってその中で蹲って丸くなっていた、ナンシーはその犬を見てまずは首を傾げさせた。
「おかしいわね」
「そうですね、怪我をしている風には見えないのに」
「何で動かないんでしょうか」
「こんな大雪の中で」
「冷えるのに」
「森の中にも入らないで」
「どうしたのかしら」
 ナンシーもスタッフ達も首を傾げさせてだった。
 犬の方に行ってみた、すると。
 丸くなっている犬の腹のところに子犬達がいた、合わせて。
「クゥ〜〜ン」
「クン・・・・・・」
「ワン・・・・・・」
「ワフウ・・・・・・」
「ワオン・・・・・・」
「クンクン・・・・・・」
 茶色の子犬が二匹、白の子犬が四匹いた、ナンシー達はその子犬達そして彼等を必死に囲んで温めようとしている犬を見てわかった。
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