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星河の覇皇
第七十七部第四章 二度目の引き分けその十七

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「そして戦争をしなかった」
「戦えばその兵が減るので」
「そうしなかった、そしてだ」
「訓練もでしたね」
「非常にだ」
「行いましたね」
 それは日々行いそれこそ一斉射撃の銃声が完全に一つになるまで行われていたという。そこまで訓練を徹底させていたのだ。
「そうしてプロイセン軍の土台を築きました」
「まずはな」
「そしてでした」
「次の王の代になってだ」
「それは確かになりました」
「フリードリヒ大王だ」
 准将はこの名前を出した。
「プロイセンの偉大な王だ」
「その王がでしたね」
「あの王はな」
 まさにというのだ。
「訓練をさらに徹底させてな」
「組織や舞台の編成、戦術をでしたね」
「確立させた」
 そうして戦ったのである。
「ここでプロイセン軍は精強になりな」
「そこからでしたね」
 今度は少佐が言ってきた。
「士官学校での教育も確立され」
「そして指揮官もだ」
「優れた者達が揃う様になりましたね」
「黒い軍服は欧州随一となった」
 プロイセン軍の軍服の色だ、尚彼等の敵だったオーストリア軍の軍服は白であり実に対象的であった。
「そしてナポレオンとの戦いで敗れてな」
「そしてでしたね」
「さらにでしたね」
「その敗北を教訓とし」
「さらに学びましたね」
「さらに強くなった」
 ナポレオンとの戦いからというのだ。
「そしてモルトケの登場もあった」
「参謀総長である彼ですね」
「彼もありましたね」
「無論クラスセヴィッツもあった」
 士官学校では必ず学ばれる彼がというのだ。
「戦争論からも学んだ」
「そのうえで、ですね」
「訓練も改革していき」
「多くのことを蓄積していき」
「二次大戦であそこまで戦えましたね」
「敗れはした」
 その二次大戦でとだ、准将は言った。
「だが恐ろしいまでの強さだった」
「その強さを備えるべきです」
「この会戦で我々はこのことを強く認識しました」
「それではですね」
「本国にこのことも伝えましょう」
「是非な、そして時間をかけてだ」
 准将はまたこう言った。
「精強な軍隊にしよう」
「はい、そうしてです」
「連合軍に負けない様にしましょう」
「あの国の圧倒的な数と装備、物量に」
「そうしていきましょう」
「戦いは数という」
 古来からの確かな真実だ、数が多い方が勝つというのは人類の歴史において数えきれないだけ証明されてきたことだ。
「そして装備も物量もだ」
「多い方が有利ですね」
「それも多ければ多いだけ」
「そうしたものですね」
「そうだ、しかしだ」 
 それでもというのだった、准将はここで。
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