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SHUFFLE! ~The bonds of eternity~
第一章 〜再会と出会い〜
その七
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「えびっふりゃー!」

「あ、新しい世界が見えるっ、かもしれないっ!?」

「なあ、なんだこれ?」

「気にするな、いつものことだ」

 で、どうしたんだ? と聞く稟。ある程度想像はつくが。

「こうなってるんじゃないかなと思ってな。もっとも、さすがにアレは想像しちゃいなかったが」

 そう言う柳哉の視線の先には、どこからともなく取り出されたロープで文字通りエビフライ状態になっている樹とそれを満足そうに眺める麻弓がいた。

「あ、あの……」

 柳哉の後ろから聞こえてくる声、ネリネだ。どうやら一緒に来たらしい。正しくは、芙蓉家の前で鉢合わせただけなのだが。


          *     *     *     *     *     *


「まあ、結局予想通りだったわけだ。楓はともかく稟が終わらせてる可能性は低いと見てたし」

「それはともかく、声も掛けてないのに自動的に来るとは、空気の読み過ぎもいいとこだろう」

「いやあ、夏休み最終日といえば恒例だしね。多分あつまってるんじゃないかと思っただけさ」

 柳哉と稟の会話に樹も入ってくる。自己紹介は先程済ませた。

「ん、この分なら俺も力になれるだろう」

 楓から借りたノートを閉じて柳哉が言った。バーベナ学園の授業の進み具合を確認していたようだ。
 
「もしかして柳哉くんって頭いい?」

「……シア。ちょっと表出ようか? なに、少し“オハナシ”するだけだ」

「えっ? そうなのですか?」

「お前もか、麻弓」

 彼は以前通っていた風芽丘学園高等部では常に上位の成績を修めていた。どうやら授業の難易度や進み具合はほぼ同じ。ならば問題はない。

「あはは……ほら、稟くんの幼馴染だから……」

「いや、分からなくもないが……」

「って分からなくもないのか!?」

 稟の反論。しかし、

「言い訳がきく状況か?」

 と、課題の山を指す。

「申し訳ございませんでした」

「あ、あの稟様。私もお手伝いしますから」

「そうですよ。がんばりましょう、稟君」

「……二人の優しさが心に染みるよ」

 稟のフォローに入る楓とネリネ。

「モテモテだなあ、稟」

「稟、殴っていいかい? 天井を突き破らんばかりに音高く!」

「却下だ!」


          *     *     *     *     *     *


「ところで」

「ん、なんだい柳哉」

「お前達も稟と同じクラスなんだろう? さっき麻弓が言ってたけど」

「ああ、そうだよ。それだけでなく、シアちゃんにリンちゃん、楓ちゃんというバーベナ三大プリンセスが揃う、という素晴らしい
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