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生まれてすぐの危機から
第一章

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               生まれてすぐの危機から
 ブリジット=ケリー、夫のハインツと暮らしながら在宅ワークをしている彼女はアメリカテネシー州のある食料雑貨の店に来ていた。面長で優しい顔で黒髪の女性である。 
 彼女はそこにあるものを見てだった。
 あることをして家に帰った、そして仕事から帰って来た蜂蜜色の髪を後ろに撫で付けた長身で青い目の彼に言った。
「猫を拾ったの」
「その子か」
「ええ、そうよ」
「ニャ〜〜」
 見れば生後間もなかった、白猫でまだ目も開いていない。
「いつも行ってる食料雑貨店の駐車場にいたの」
「そうだったのか」
「それで誰も助けようとしないから」
「ブリジットが拾ってきたんだな」
「そうなの、家族に迎えていいかしら」
「俺も猫は好きだしな」
 夫は妻に笑って答えた。
「だったらいいさ、ただ生まれたばかりだろ」
「ええ、この通りね」
「赤ちゃんはずっと傍にいないとな」
 そうしないと、とだ。夫はまだ目も開いていない猫を見つつ話した。
「大変だぞ」
「それはわかってるわ、けれどね」
「放っておけないか」
「だからね」
 それでというのだ。
「育てるわ」
「そうか、それじゃあ俺もな」
「育てることに協力してくれるのね」
「俺も猫好きだしな」
 夫はこの言葉通りオリーと名付けられたその子猫雄だとわかった彼の為に世話を焼きはじめた。だが。
 彼は外に仕事を持っていていつも面倒は見られなかった、それで在宅ワークをしているブリジットがだった。
 いつもオリーを見ていた、ミルクをあげたり暖かくして彼を育てていた。オリーは暫くすくすくと育っていたが。
 やがて息が荒くなり弱りだした、それを見てすぐにだった。
 ブリジットはオリーを病院に連れて行った、そして診てもらうと。
「危ないです、お薬は飲ませましたが」
「それでもですか」
「後はこの子の頑張りだけです」
「そうですか」
「暖かくしてお薬やミルクも飲ませてあげて」
 そうしてというのだ。
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