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歩道で動けなかった子猫
第二章

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 灰色と白の猫は雌で特に問題なかった、片目が悪い兄弟は二匹共雄で。
「完治しますか」
「目もよくなるんですね」
「はい」
 獣医は夫婦に答えた。
「これ位なら」
「そうですか、ではお願いします」
「この子達を治してあげて下さい」
 夫婦も応えた、そうしてだった。
 二匹を一旦獣医に預けた、そして暫く後で。
 二匹は退院したがそれぞれ目は非常に奇麗になっていた、そこでだった。
 夫婦は二匹に名前を付けた。
「最初の子はマニだ」
「ええ、その名前にしてね」
「次の子はストームだ」
「そうしましょう」
「そしてお友達はな」
 二匹が戻ってきてすぐに彼等のところに来た灰色と白の猫も見て話した。
「フェティにしよう」
「そうね、それじゃあね」
「この子達を幸せにしてあげよう」
「そうね、貴方達はもう大丈夫よ」
「ニャア〜〜」
「ナ〜〜オ」
「ウニャ〜〜」
 三匹は夫婦に鳴いて応えた、そうしてだった。
 六匹を育てながら三匹もその中に加えて三匹の里親を探した、だがその中で。
 マニは夫婦にも家の六匹の猫達にも完全に懐いたのでだった。
「うちで飼うか」
「ええ、マニはね」
「そうしてな」
「ストームとフェティはいつも仲がいいから」
「二匹は一緒にな」
「引き取ってもらいましょう」
 六匹と遊んでいるマニと今も一緒にいるストームとフェティを見て話した、そのストームとフェティはというと。
 心ある人達の家族に一緒に迎えられた、夫婦の知っている人達で二匹はそこで幸せに暮らしマニもだった。
 家で元気に跳ね回っていた、そして家に来たストームとフェティと遊んでいるが。
「あんなに弱っていてな」
「片目は潰れているみたいだったのに」
「それがな」
「今はこんなに元気ね」
「この子達を保護してよかった」
「本当にそうね」
「弱っている子も助かると元気になるんだ」
 例えその時はそうであってもというのだ。
「そうだからな」
「ええ、これからもね」
「マニ達を育てていって」
「この子達みたいな生きものを救っていきましょう」
 夫婦で話した、そしてだった。
 楽しく遊ぶ三匹とそこに入る六匹を見て笑顔になった、猫達はとても幸せそうに喉を鳴らしてそこにいた。


歩道で歩けなかった子猫   完


                 2021・4・16
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