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星河の覇皇
第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その十四

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「戦闘についてはです」
「練度が低く」
「あそこまでは動けません」
「到底」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「今思いますね」
「両軍の練度の見事さを」
「心から」
「両軍共強い」
 大佐は確信を以て言った。
「兵器は我々から見るとな」
「非常にですね」
「攻撃力も棒膂力も弱いですが」
「ダメージコントロールも」
「それでもですね」
「将兵の練度はかなりですね」
「指揮も見事です」
「戦争を知っている者達がだ」
 まさにというのだ。
「さらに訓練をしていってだ」
「強くなった」
「そうした軍隊ですね」
「オムダーマン軍ティムール軍共に」
「そのこともわかる、本当にいい動きだ」
 こうまで言う大佐だった。
「俊敏で的確で統制が取れている」
「理想的と言っていい」
「そこまでの動きですね」
「我々から見ますと」
「戦士の軍隊ということか」
 大佐はこんなことも言った。
「市民の軍隊でなくな」
「そうですね」
「サハラは戦士の軍隊です」
「マムルークです」
「彼等もよく自分達をそう言っていますが」
 当初はセルジューク朝等の奴隷出身の戦士達のことだった。イスラムでは奴隷もムスリムになれば解放され高い身分にもなれたのだ。
「実際にそうですね」
「彼等は戦士、マムルークです」
「誇り高い戦士です」
「自分達を市民と考えず」
「戦士と考えています」
「戦う者達と」
「我々は軍人だが」
 大佐はここでまた言った。
「職業としてだ」
「あくまでそうですね」
「我々は職業の軍人です」
「戦士ではなく」
「軍人です」
「そうだ、市民でありだ」
 そしてというのだ。
「職業としての軍人だ」
「市民と連合という国を守る」
「そうした立場ですね」
「意識として戦士という考えはありません」
「どうにも」
「そうだ、軍人は職業だ」
 連合ではこう考えられているのだ、市民達が職業として軍人を選びそのうえで働いているのである。
「連合ではな」
「サハラとは違いますね」
「サハラは戦士という存在です」
「職業ではなく」
「存在としてありますね」
「そこが違う、では戦いに対する姿勢もだ」
 それもというのだ。
「違って来る」
「そうですね」
「それは大きく違ってきますね」
「彼等の果敢な戦いぶりを見ていますと」
「そのことがわかりますね」
「そうだな、マムルークか」
 大佐は唸る様にして言った。
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