第百九十三話 小さな街からその二
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「そや」
「そうですか、今何処かの学校や塾には」
「入ってへん、職業はあっても糧を得る手段はない」
このことも話した。
「残念ながらな」
「そうですか、では丁度貿易商のチンさんが子供さんの家庭教師を探しているので」
「そのチンさんのところに行ってか」
「家庭教師の募集に応じられては」
「人はまずは仕事が必要や」
リーは自分の価値観から述べた。
「そやからな」
「これからですか」
「そのチンさんのとこに行くわ、住所は何処や」
「それでしたら」
親父はリーにそのチン家の住所も話した、リーは食事の後でだった。
勘定を済ませた後その住所に向かった、するとそこには中華風の見事な屋敷があった。そこの門で蛇人の守衛に話してだった。
中に入れてもらうとすぐに鰐人のスーツを着た中年男が出て来た、男は自分がチンと名乗ってだった。
リーに礼儀正しい態度で問うた。
「家庭教師の件ですが」
「はい、主に文系をです」
「教えて下さいますか」
「理系も出来ますが」
「専門はですか」
「私は学者ですので」
この職業だからだというのだ。
「そちらが専門です」
「ですが理系もですね」
「教えることが出来ます」
「そう言われるなら」
屋敷の主は早速だった。
リーに対して多くの試験用紙を出してそうして言った。
「試験をさせて頂きます」
「その結果で、ですね」
「採用ということで宜しいでしょうか」
「それではですね」
「すぐに試験をはじめさせて頂きますが」
「お願いします」
リーはすぐに答えてだった。
別の部屋に案内されて監督官付きで試験を開始した、そして全教科書き終えたが主はそれを聞いて驚いて言った。
「まだ一時間も経っていませんが」
「そうですか」
「ですがもう全教科ですか」
「回答してです」
そしてとだ、リーは主にあっさりとした口調で答えた。
「見直しもしました」
「そうですか、十教科以上ありましたが」
「後は答え合わせをお願いします」
「それでは」
主は驚きを隠せないままだった、監督官と共に答え合わせに入ったが。
今度はゴーストの監督官と共に驚きの声をあげた。
「全問正解!?」
「まさか」
「かなり難しい試験だというのに」
「太平洋一の名門シンガポール大学の入試問題ですが」
「全教科全問正解とは」
「これは凄い」
驚愕して二人で言った、そして。
主はリーのところに飛んで戻って言った。
「貴方の様な方ははじめて見ました」
「そうですか」
「貴方が最初に来られた人ですが」
それでもというのだ。
「もう貴方で、です」
「採用して頂けますか」
「はい、では倅の家庭教師をです」
それをというのだ。
「お願いします」
「わかりました」
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