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MOONDREAMER:第二章〜
第三章 リベン珠
第31話 神達との邂逅
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を癒やせないかという念を覚えているのだった。そして、幻想郷を護る為に彼女達には何がなんでも勝たないといけないのだった。
 その意思を自分自身で確かめた後、勇美は大切な自分の相方に言葉を掛ける。
「行きましょう、鈴仙さん」
「ええ」
 勇美の言葉に鈴仙も同意するのだった。そこに否定する理由などないからである。彼女もこの異変を解決して平穏を取り戻さなければならないという気持ちは同じだからなのだ。
 二人はそれ以外の言葉を発さずに、そのままヘカーティアの開けた空間の中へと向かっていったのだった。

◇ ◇ ◇

 そこは、明らかに地上や月とは違う光景であった。周りに広がるのは岩山だが、その作りは地上や月のそれとは全く異を介するのであった。
「ここが……」
「ええ、紛れもなく『地獄』のようですね……」
 勇美が聞くのに対して、鈴仙はあっさりと、だがそれでいて重みのある口調で言ってのけた。
 そう、ここは地獄の一角なのだ。ここからの戦いは月や地上の常識は通じないだろう。
「気を引き締めて行きましょう、鈴仙さん」
「言われるまでもないでしょう。ここは慎重に行かないといけませんね」
 そうして言葉を交わし合うと、二人は万全の体勢で歩を進めていったのであった。
 地獄の道を歩く事数分、二人の目の前に開け切った光景が現れるのだった。そして、『間違いないだろう』と確信に至った。
 その理由は、二人は今この場で言い様の無い目に見えない重圧を感じているからである。それも、先程の純狐の時に加えて、もう一つの感覚が追加されているのだ。
 こうして二人は確信したのだった。
「あなた方は、純狐さんと、先程現れたヘカーティアと言う方ですね」
 言って勇美はその場にいる二人の姿に目をやった。
 一人は金髪に黒ずくめの存在の純狐、そして、もう一人がヘカーティアという事で間違いないのだろう。
「……って!?」
 ここで勇美は驚いてしまったのだった。その理由はヘカーティアのその容姿に他ならなかったのである。
 ヘカーティア本人はウェーブ掛かった赤髪であるものの、多少は目立つがそこまで特徴的という訳でもない。
 問題はその出で立ちであった。それも、『全部』と言っていいだろう。
 まず、上半身は黒いTシャツであった。だが、肩が露出するような際どいデザインである。それにより彼女の決して小さくない胸の谷間が強調されている。更にはTシャツのデザインも前部に『WELCOME TO HELL(地獄へようこそ)』という文字の書かれた思い切った仕様であった。
 だが、これでも他の部位と比べればまだ可愛い方であった。
 次に頭部である。そこには中央に占いに使う水晶のような球体が埋め込まれた黒い帽子が被されているのだ。常人ならこれだけで首を痛めてしまいそうと思える
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