暁 〜小説投稿サイト〜
まさに恋女房
第四章

[8]前話
「凄い奴になるな」
「私凄くないのに」
「凄い奴程そう言うんだよ」
「自分は凄くないって」
「自分を凄いとか尊敬しろなんて言う奴はな」
 それこそという口調での言葉だった。
「ゴミみたいな奴なんだよ」
「何か実感ある言葉ね」
「そういう奴知ってるからな」
「だからそう言うの」
「そうさ、逆に凄い奴こそな」 
 まさにというのだ。
「本当に凄い奴なんだよ」
「それが私なの」
「そうさ、その理恵に釣り合う奴になるからな」
 相良は理恵に誓って告げた。
「絶対にな、努力するからな」
「そういえば今度自動車免許取るわね」
「危険物も火器取り扱いも、あとフォークの免許もな」
「その三つもなの」
「勉強してるしな」
 学業そしてアルバイトもしつつだ。
「絶対に将来理恵を苦労させないぜ」
「それで今努力してるのね」
「そうさ、理恵に釣り合う様にな」
 凄い彼女にというのだ。
「やってくな、これからも」
「ええ、じゃあね」
「今日も勉強するな」
 こう言って相良は実際に大学の勉強だけでなく資格の勉強もした、そうして大学にいる間に数多くの資格も手に入れ。
 卒業して就職すると意欲的に働き一緒に暮らしている理恵を養った、そして理恵はその彼を家事と助けで支え。
 そしてだ、相良は結婚する時に同僚達に言うのだった。
「俺は世界一いや宇宙一の幸せ者だぜ」
「理恵さんと結婚出来てか」
「凄い人と結婚出来て」
「だからだな」
「そう言うんだな」
「ああ、理恵は凄い奴だからな」
 それでというのだ。
「その理恵と結婚出来て幸せだぜ、そしてこれからもな」
「理恵さんに釣り合う男になる」
「だから頑張るんだな」
「仕事も」
「何でもな、それでずっと理恵と二人で暮らしていくな」
 いつも自分を支えてくれる彼女と、というのだ。こう言ってだった。
 相良は理恵と結婚した、彼は結婚してからも理恵と幸せに暮らした。子供が出来ても彼は理恵を大事にし彼が老人になってもだった。常に理恵を凄いといい彼女に釣り合う人間になろうと努力した。そして理恵はその彼をずっと自分は凄くないと言って支え続けた。


まさに恋女房   完


                    2020・10・14
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ