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星河の覇皇
第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その二

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「ですが」
「おそらくか」
「動きが完全に停止しています、バリアーもです」
「出せなくなっているか」
「そちらもやられました」 
 バリアー発生装置もというのだ。
「直撃の際に」
「そうか、ではな」
「艦長、どうされますか」
「攻撃は可能か」
「いえ、これは」
 砲雷長が言ってきた。
「最早」
「動かないか」
「はい、一切」
「艦の後方への直撃だがな」
「その衝撃で」
「バリアーも砲もミサイルもか」
 艦の攻撃もというのだ。
「全てか」
「行えなくなっています」
「手も足もだな」
「なくなってます」
 今のこの艦はというのだ。
「最早」
「そうか、ではだ」
「艦長、どうされますか」
 副長は艦長に険しい顔で問うた。
「ここは」
「機関室、どうか」
 決断の前にだ、艦長は機関室に再び問うた。
「復旧の見込みは」
「動ける者は総員作業に当たっていますが」
「それでもか」
「残念ながら」
「では仕方がない」
 艦長はこう言った。
「ここはだ」
「はい、ここはですね」
「退艦だ」
 苦い顔でこの決断を下した。
「総員な」
「それでは」
「総員退艦用意」
 正式にこの指示を出した。
「すぐに脱出艇に移れ、負傷者を回収してだ」
「そうしてですね」
「そうだ、急げ」
 こう艦橋で言った。
「いいな」
「わかりました」
「それでは」
「急げ、この艦はもう動けない」
 それ故にとだ、艦長はまた言った。
「また攻撃を受けるぞ」
「はい、急ぎます」
「今は」
「そうします」
 艦橋の者達も応える、そしてだった。
 すぐに退艦作業に移った、だがここで艦長は退艦の報告を所属している分艦隊司令に対して報告したが。
 その報告を聞いてからだ、艦長は乗員達に言った。
「今分艦隊司令の乗艦もだ」
「まさか」
「まさかと思いますが」
「そのまさかだ」
 こう返したのだった。
「撃沈はされていないが」
「沈みそうですが」
「そうした状況ですか」
「そうらしい」
 実際にというのだ。
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