第二章
[8]前話
その光景を見てティアーは所長に話した。
「あの、リックさんですが」
「うん、彼をだね」
「このセンターで」
「丁度パートの仕事が空いてるしね」
「だからですね」
「働いてもらおう」
「そうしましょう」
こう所長に言った。
「是非」
「それがいい、この人なら」
「働いてくれます」
「真面目に。そして」
所長はさらに話した。
「そして仮住まいも用意して」
「そうしてですね」
「家族でね」
「暮らしてもらいますか」
「そうしてもらいましょう」
二人でこう話してだった。
所長がリックに申し出た、そしてだった。
リックはセンターで働きはじめてだった、仮住まいにカルマと一緒に住む様になった。するとだった。
カルマはいつもだった。
「まずはですか」
「こいつにです」
リックは食事の時カルマにご飯をあげつつティアーに話した。
「ご飯をあげてなんです」
「そうしてからですか」
「俺も食べます」
その様にしているというのだ。
「いつも」
「そうですか」
「家族でして」
「それで友達で」
「ですから」
だからだというのだ。
「そうしています」
「そうですか」
「これからもそうします」
ティアーにカルマを見ながら話した。
「ずっと」
「そうですか」
「こいつがいますから」
それ故にというのだ。
「俺は幸せですから」
「家族でお友達なので」
「一人でいる時に会って」
そのカルマと、というのだ。
「こいつにいつも助けられてきました」
「精神的にですね」
「はい」
その通りだというのだ。
「ですから」
「まずはですか」
「こいつにご飯をあげて」
そしてというのだ。
「そうしてです」
「リックさんがですね」
「食べる様にしています」
「そうですか、あの」
ティアはここでそのリックにさらに話した。
「ここで頑張って働いてくれたら」
「そうすればですか」
「正式に採用されます」
パートではなくというのだ。
「そしてお家もです」
「これもですね」
「仮住まいからです」
「普通のアパートにですね」
「住めますので」
「これから頑張れば」
「そうなります、頑張って下さい」
「そうさせてもらいます」
リックは強い光を放つ目で答えた、そうしてだった。
彼はカルマと共に暮らし仕事に励んだ、すると正社員になることが出来てそしてカルマと共にアパートに入ることも出来た。そうなってもまずはカルマに食べさせて次に自分であった。いつも彼といて笑顔になっていた。
ホームレスと犬が掴んだ幸せ 完
2021・3・27
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