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栗鼠のナトキンのお話U
第一章

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               栗鼠のナトキンのお話U
 謎々好きの栗鼠のナトキンは今も謎々を考えています。
 それで森の中の木の下に座って謎々の本も読んでいますがそこに子猫のトムが来て彼に尋ねてきました。
「何の本を読んでるの?」
「謎々の本だよ」
 ナトキンはトムに答えました。
「僕が読む本といえばそうだね」
「そういえばナトキンさんっていつも謎々の本読んで謎々を言ってるね」
「何しろ謎々が大好きだからね」
 それでというのです。
「今も読んでいるよ」
「成程ね」
「うん、こうして謎々の本を読んで」
 そしてというのです。
「勉強をしているんだ」
「そうなんだ、そういえば僕も謎々を知ってるよ」
「どんな謎々かな」
「うん、蟻と蜂と蜘蛛で仲間外れは何かな」
「その三つの中でなんだ」
「何かな。お父さんに教えてもらった謎々だよ」
 トムのお父さんにというのです。
「この中で仲間外れはね」
「どれか」
「ナトキンさんはわかるかな」
「それは蜂だよ」
 ナトキンはすぐに答えました。
「蜂だけ飛べるじゃないか」
「ああ、それじゃあ一つだけらしいよ」
「一つだけ?」
「うん、蜘蛛も仲間外れなんだ」
 トムはナトキンに言いました。
「だって蜘蛛は虫じゃないよ」
「ああ、そういえばそうだ」
 ナトキンも言われて気付きました。
「蜘蛛は虫じゃない」
「そう、だから蜘蛛も仲間外れだよ」
 蜘蛛もそうなるというのです。
「だからね」
「それはそうだね」
「そして蟻もだよ」
 こちらもというのです。
「仲間外れだよ」
「蟻はどうしてかな」
「だって蟻は地面に巣を作るね」
「それでかい」
「蜘蛛でもそうした蜘蛛がいるけれど」
「ジグモだね」
「それでもね」
 普通の蜘蛛を見てというのです、あの網を張った巣です。
「大抵そうだから」
「そういうことだね」
「だからこの謎々はどれもなんだ」
「それぞれ仲間外れだね」
「そうなるんだ」
 こうナトキンにお話します。
「この謎々はね」
「成程、面白いね」
 ナトキンもお話を聞いて感心したお顔になりました。
「そんな謎々もあるんだ」
「うん、答えは一つじゃないんだね」
「謎々によっては」
「それじゃあ謎々をあらためて勉強するよ」
 ナトキンはトムの言葉を受けて謎々をさらに勉強する様になりました、そして暫くじっくりと勉強してです。
 その答えが一つではない謎々を自分に紹介してくれたトムにお話しました。
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