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星河の覇皇
第七十七部第二章 第二次国境会戦その六

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「王はまだです」
「その食事はだな」
「自由がありました」
「ある程度好きなものが食べられたか」
「はい」
 こうアッディーンに答えたのだった。
「ハサン王国でも。しかし」
「皇帝になるとか」
「皇帝は王より上にあります」
「皇帝が王を任じる形になるからな」
「王は同じ文明圏に何人いてもいいのです」
「そうだな、連合やエウロパ、マウリアでもだな」
 アッディーンは連合の他の国々の名前をここで全て出した。
「王は何人もいる」
「左様ですね」
「マウリアは藩王だがな」
「しかし王は王です」
 それぞれの星系、一つの行政単位の区分の主として存在している。尚マウリアは知事を選挙で選ぶ星系も存在している。
「王はです」
「一つの文明に何人いてもいいか」
「はい、大公より上にあり」
 エウロパの最高とされる爵位の上となる。
「一つの国、民族国家の元首ですが」
「皇帝は文明だな」
「一つの文明の唯一の」
「それだけにだな」
「重みが違いますので」
「大統領や王よりもな」
「遥かに」
 まさにというのだ。
「そこまでの存在なので」
「自由も一切なくか」
「お食事もです」
「自由にレーションも食べられない」
「そうなります、警護のこともあり」
「皇帝には皇帝に相応しい警護があるか」
「そうなのです、ですからレーションも」
 アッディーンが今食べているそれもとだ、また話された。
「それもです」
「迂闊にはか」
「食べられないということは」
「覚えておこう」
「その様に」
「私が勝てばもうレーションもだな」
 アッディーンはまたレーションを見た、ラムを焼いたものも彼にとっては実に美味く愛着のある味である。
「自由に食べられなくなるか」
「そうなります」
「それなりに好きなのだがな」
「我が軍のレーションは昔から評判がいいですね」
「そうだ、それぞれの国にレーションがあるが」
「その中でも」
「我が軍のレーションはな」
 即ちオムダーマン軍のものである。
「昔からな」
「評判がいいですね」
「そしてだ」
 さらに話すアッディーンだった。
「私も馴染みがあるが。そしてこれからはだ」
「統一を果たせば」
「レーションもよりな」
 これまで以上にというのだ。
「よくしていくつもりだが」
「しかしその美味しくしたレーションも」
「自由には食べられないか」
「そうなります」
「それが皇帝か。レーションの改革も考えているが」
 統一してからはというのだ。
「それもか」
「はい、そういうことで」
「わかった、そういえば私も郡で階級が上がるとな」
「上がる度にですね」
「自由がなくなっていた」
 これはアッディーン自身が肌で実際に感じていることだ。
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