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幻の月は空に輝く
日向宅訪問・1
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、一人の時に部屋でスケッチを睨めっこしながらね。

 少しだけ居心地の悪い沈黙。

 けれど、すぐさまそれを全てなぎ払うような冷たい空気が瞬時に場を支配した。

 ランセイとして会うのは初めてだけど、知識としては知っている人物――日向ヒアシ。恐らくネジにとっては最大の鬼門の人だ。
 さっきまでは心配そうな表情を浮かべていたネジだったけど、今は冷めた色を瞳に宿しながらヒアシを睨みつけるようにしている。
 ここに来るなら会う可能性があったのに、何故か私は会うという事をまったく考えず、ただ友達の家に遊びに行くような暢気な気分でここに来ていた。
 ネジとヒアシの和解は、ネジが中忍試験でナルトに負けた後の話し。これから何年も先の事で、今じゃない。
 そうなると、ネジはずっとこの冷えた感情を抱えていくのかと、別の意味で私は言葉に詰まらせ、二人を見ていた。
 正直、本当に居心地が悪い空気が流れてる。
 他人を排除し、決して間には入れさせない空気を放っているくせに、きっかけという救いを求めているかのような微妙な空間。真実を知っているからこそそう思うのだろうか。
 迷う所だけど、私が息を吸う事も忘れて場の空気に指先一つ動かせずに居たら、何故かネジが私の手首を掴み引っ張るように歩き出した。
 ヒアシの隣りを通り過ぎる時に見た、驚いたような表情。
 
 異物を見る、とかじゃなくて、ただ、純粋に驚いているような眼差し。

 ……あれ?

 ネジに引き摺られながらも、ヒアシを不思議そうに見ていた私の耳に、ネジの盛大過ぎる溜息が届いた。

「…すまない。ヒアシ様を……本家の人間を見ると……いつも、俺はこうなる」

 どうやら、私が居るという事を忘れて場の空気を凍らせた事を気にしてるらしい。

「いや。ネジの知らない一面を見れた、という事で別にいい」

 子供らしからぬ一面、だけどね。
 そんな事を真顔で言った私に、一瞬ネジは真っ白な瞳を瞬き、次の瞬間には顔を真っ赤にしながら口を半開きにし、何でか私の方に指を突きつけたまま震えだした。面白い反応をするなぁ、なんて変わらない表情で見てたら、やっぱり震えたままネジは私に突きつけた指を力なく下に下ろしていく。
 どうやら、色々と葛藤があったらしい。ネジの中で。

「相変わらず恥ずかしいヤツだな」

 消え去りそうな程小さな声で言われたんだけど、意味が分からずに首を傾げてしまう。きっと、今の私の周りにははてなマークが乱舞していると思うんだけどね。

「いや、いい。深く考えなくていい。ラン、こっち…」

 あの瞬間の凍えた空気が払拭されたと同時に、ヒアシが戸惑った表情のままこちらに近付いてきた。
 その事によって再び、あの時の空気が舞い戻る。
 
「(態々追いかけてき
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