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ドリトル先生と不思議な蛸
第二幕その六

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「学問を学べないです」
「そこまでのものですか」
「正しい学問は」
「そう思います、学問は確かにそれぞれ違いますが」
 それでもというのだ。
「何がよくて何が駄目か」
「そういうことはないですね」
「文系でも理系でも」
「ではその小説家さんは」
「間違っています」
 先生は言い切りました。
「全く以て。ですから」
「史記等も読まれて」
「生物学も楽しんでいます」
「そうですか」
「はい、そして鳥羽では」
 そちらではというのです。
「蛸からです」
「生物学を学ばれますか」
「海洋生物学ですね」
「そちらを、危険があることを自覚しつつ。そして」
「そしてとは」
「鳥羽のお土産も持って来ますので」
 先生は日笠さんにこちらのお話もしました。
「楽しみにしておいて下さい」
「それは嬉しいです」
 日笠さんは先生のその言葉にこれまで以上に明るい顔になりました、そしてそのお顔で先生に言うのでした。
「それでは」
「はい、お土産は赤福餅でいいでしょうか」
「あちらの名物ですね」
「僕も八条百貨店で特産品で売られていた時に食べましたが」
 その時にというのです。
「美味しかったです」
「あのこし餡がいいですよね」
「お餅も」
「私も好きです」 
 こう言うのでした。
「あのお餅は」
「それでは」
「楽しみしています。お抹茶を用意して」
「お抹茶ですか」
「お抹茶は昔から好きでして」
 それでとです、日笠さんは先生に答えました。
「ですから」
「それで、ですか」
「楽しみにしています」
「そうですか」
「はい、それでは鳥羽に行ってきます」
「そうされて下さい」
 こうしたお話を日笠さんともしてでした。
 先生は鳥羽に行く準備を進めました、そのうえで。
 遂に夏休みがはじまり鳥羽に行く前日になりました、その時に王子とトミーが先生にお家でこんなことを言いました。
「僕は少し祖国に帰るから」
「僕は留守番をしながら学んでいきます」
「だからね」
「鳥羽には同行出来ないです」
「うん、今回は君達と一緒じゃないことが残念だけれど」
 先生もお二人に応えます。
「行って来るよ」
「そうしてきてね」
「鳥羽では皆のお話をよく聞いて下さいね」
「先生のサポートはやっぱり動物の皆が一番いいから」
「そうして下さい」
「そうさせてもらうよ、僕は家事とか世の中のことはさっぱりだからね」
 先生も二人に返します。
「だからね」
「先生は学問と人柄は素晴らしいよ」
 王子もこのことはよく知っています。
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