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リュカ伝の外伝
天使とラブソングを……?(第11幕)
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か?」
私も気になった一言だったが、アイリーンが代わりに聞いてくれた。

「うん。今朝方に君らの学校へ行ってバイオリンの先生に教科書を貰って、午前中は謁見しながら教科書を読んで、午後から仕事サボって練習してた。ゴメンね、耳障りな音を聞かせちゃって」
「とんでもございません。何でしたら練習のお手伝いを致しますよ」

「お! アイリーンちゃんはバイオリンも出来るんだ?」
「作詞作曲以外なら音楽関連は天才ですから(笑)」
言うなぁ……陛下を前にしても。

「どっかの宰相みたいな物言いだけど、その時が来たらお願いするよ」
「是非?」
何処かの宰相って何所の宰相だ? 知り合いっぽいなぁ……アイリーン、解ってるのかな?

「それで陛下。昨日バイオリンを入手されたようですが、今回のアイリーンへのオファーと関係があるのですか?」
「ああ……う〜ん……直接は関係ない。まぁ序でだから仕事の内容を話すね」

「あ、でしたら私は席を外した方が良いのでは?」
「いや、これも序でだからピエッサちゃんも聞いといてよ。今後の為の注意事項もあるから」
出来れば面倒事には関わりたくないのだが……





「……と言う訳で、ラインハット王国の田舎にある村の教会を復興する手伝いをアイリーンちゃんにお願いしたい」
「なるほど……内政干渉になるかもしれないから、グランバニア王家は直接関わってない事にするのですね」

「うん。それに伴い、今後注意して欲しい事がある」
「「今後?」」
陛下のお言葉に台詞をハモらせる私達。

「ちょっと待ってね」
そう言うと陛下は懐から瓶底の様な眼鏡と付けひげを取り出し、それらを整ったお顔に装着した。 ……変相……かしら?

「この状態の僕を見たら『陛下』とか『王様』とか『リュカ様』とか呼んじゃダメね。後ろ姿だけ見て“陛下”とか呼んじゃって、正面から見たらコレだったら、速攻で人違いだった事を大声でアピールして。この男“プーサン”って名前なんだけど、グランバニア国王と混同する事は最大級の不敬罪になるからホント注意してね」

「なるほど……王家が関わってないのですから、プーサンさんが陛下で在る訳が無いですね」
「そういう事」
あぁ……私でも理解出来た。

「そう言えば、昨日バイオリンを入手なさった経緯が解らないままなのですが?」
「うん、それ! 実は愚痴を聞いて欲しかったのはそこなのですよ!」
アイリーンが興味本位なのか、質問したら愚痴を聞く事になった。

「仕事内容の説明でも言ったけど、昨日のうちにピアノが欲しかった訳さ。そこに居たラインハットの王にも何とかならないか聞いたけど、アイツってばヘッポコだからさ……全然役に立たなかった訳さ!」

「は、はぁ……」
「それは何とい
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