暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
見滝原博物館
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符を浮かべた。

「そういうことじゃないかな。でも、大陸って一番小さくてもオーストラリア大陸レベルの大きさでしょ? 日本の大きさだって、大陸じゃなくて島レベルだし」
「え? 日本って大陸じゃないの?」
「……響ちゃん小学生からやり直した方がいいかもしれない。それにしても、突如消えたって何があったんだろうね」
「え? 私、まさかそこまで重症?」
「さて。次行くか」
「え? ちょっと、私まさかそこまで重症?」

 騒ぐ響を無視して、ハルトは次に行く。入口の次のブースには、透明な筒に、展示物が覆われて展示されていた。

「おお……」

 響がガラスに顔を張り付けている。そんな彼女を引きはがし、ハルトは展示物と解説を見比べていた。

「えっと……これは、ムー大陸で用いられていたとされる携帯端末……携帯端末?」

 その四文字に、ハルトは目を丸くした。

「それって、私たちのスマホみたいなの?」
「そういうことになるね。一万年前に、もうスマホみたいなのがあったってことに……」
「うへえ」

 響も驚いた表情をしている。
 携帯端末は、スマートフォンと比べて、とても分厚い作りになっていた。正方形に近い形の液晶画面だが、当然電力は通っておらず、無音のまま鎮座していた。
 このブースには、他にもムー大陸と呼ばれる文明の展示物が所狭しと並べられていた。
 民族衣装を着た蝋人形、他の原始人とは違う鉱石が使われているアクセサリー。

『ムーの人々が残したと思われる遺産です。ムーは現代よりはるかに進んだ科学力を持っていたと言われています』
「ふうん……大昔なのに、今よりも進んだ科学力か……でも、他はあんまり目立つすごいのはなさそうだね」
「さすがにあの端末だけなのかな」

 響の言葉に、ハルトも頷いた。

「あ、でもこれはなんか違うかも」

 響は、展示物の一つに目を付けた。

「えっと……、これ、ムー大陸で使われていた文字みたいだよ」
「これが文字?」

 石板に刻まれたその記号は、文字というには大きく外れているようにも見えた。平仮名や漢字、ローマ字に慣れ親しんだ身からすると、それは文字というよりは、紋章のようにも見える。

「何か、弓って感じを細長くした感じだね」
「ああ、ハルトさんそう感じるんだ」
「ああ」

 ハルトは頷いて、目を細くする。

「何て言うか、弓を左右逆にして、真ん中に点々って感じの文字だな。これ書くの大変じゃない?」
「私も何か真ん中の点々が気になるな。あ、それよりハルトさん、写真撮って!」
「ん? はいはい」

 近くの蝋人形の隣で、同じポーズをした響にシャッターを切る。

「ふう……」
「うーん、私がいた世界だったら本当に聖遺物になって処理され
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