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筆まめ少女
第一章

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             筆まめ少女
 藤原菫はとにかく筆まめだ、とはいっても今は携帯があるのでメールである。
 だがそのメールについてだ、友人の支倉好美は言った。
「菫ちゃんメール多過ぎよ」
「そう?」
「とにかくね」
 一四六程の背で黒髪をショートにしぱっちりとした目で色白の彼女に言う。紺のブレザーと黄土色とグレーのタートンチェクのスカートそして青ネクタイと白いブラウスの制服は高校のものだが菫は小柄なので中学生に見えるのは小柄なせいだ。
「何かあるとじゃない」
「メール送るから、昨日私に十も送ってきたけれど」
「多いの」
「他の娘にも送ってるでしょ」
 好美はこう言った。黒髪を肩の長さで切り揃えていてあどけない感じの大きな目で唇は小さい。背は一六〇程で胸は八十九はある。見事な胸だ。
「そうでしょ」
「それはね」
「それで昨日全体で何通送ったの?」
「携帯で」
 実際に菫は自分の携帯をチェックして答えた。
「百五十通よ」
「やっぱり多いから」
「百五十で」
「パソコンでも送ってるよね」
 家のそれでもというのだ。
「そうよね」
「それはね」
「そっちも普通に百通よね」
「そうなるかしら」
「毎日何百もメール送るのは」
 それはというのだ。
「本当にね」
「多いのね」
「何かちょっとしたことで」
 些細な要件それこそ言わなくてもいい様なことでもいうのだ。
「そうしてくるけれど」
「多いの」
「うん、そう思ったわ」
 こう菫自身に言った。
「お昼焼きそばにするとかでも言うけれど」
「ああ、昨日ね」
「別にね」
「言わなくてもいいの」
「もう何でもメールしなくても」
 それこそというのだ。
「よくない?」
「そうかしら」
「大事なことだけでね」
 メールを送るならというのだ。
「いいと思うよ」
「何か昔からね」
 菫は好美に返した。
「私ってね」
「メールよく送るの」
「そうなの」
「一日何百通も」
「多分百通送る日も」
 そうした日もというのだ。
「普通にね」
「あるのね」
「それは普通じゃないのね」
「他の人から見ればね」
「そうなの」
「家族にも送ってるでしょ」
「お父さんにもお母さんにもお兄ちゃんにも」
 実際にというのだ。
「送ってるけれど」
「そうしてるの」
「一日何通ずつか」
「じゃあ本当に」
「私はメール多いの」
「そんなに多くなくてもいいじゃない?」
 好美はまたこう言った。
「本当にね」
「何でもないことならなの」
「送らなくてもいいしね、口で言ってもね」
「いいの」
「それで済むなら」
 それならというのだ。
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