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大阪の赤舌
第四章

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「それはあるから」
「では学ぶことだ」
「数学なんてって思っていても」
 それでもというのだ。
「そうもいかないのね」
「今そう思っていても後でその時が来るぞ」
「その機会もあるかもだし」
「用心しておけ」
「そうするわね」
 浅海は答えた、すると妖怪は頷き。
 川に戻った、妖怪は川に入るともう姿は見えなかった。浅海は妖怪の姿が見えなくなってから歩に言った。
「まさか妖怪もなんてね」
「数学は必要だってか」
「思わなかったけれど」
 それでもというのだ。
「人間の社会はもっと数学が必要で」
「しっかりしないとな」 
 それでもというのだ。
「駄目ってことだ」
「そうよね」
「だからお前もだよ」
「もっと数学頑張らないと駄目ね」
「ああ、予習復習しろって言ったけれどな」
 ここでだ、彼はこうも言った。
「俺も教えてやるからな」
「そうしてくれるの」
「ああ、何時でも言え」
 数学のことをというのだ。
「いいな」
「じゃあお言葉に甘えて」
 浅海は歩に微笑んで応えた。
「そうさせてもらうわね」
「そういうことでな」
「これからは数学も頑張るわ」
「そうしろよ、本当に思わない時で必要になるからな」
「ええ、もう赤点ギリギリ位で満足しないわ」
「幾ら文系でもな」 
 それでもと話してだ、そのうえでだった。
 二人で家に帰った、それから歩は数学も勉強する様になった。すると成績も上がり赤点は全く心配しなくて済む様になった。そして。
 実際に成長して大学から社会に出た時に仕事や日常生活で数学の知識が必要な時が出た時に勉強しておいてよかったと思った、それを今も付き合っている歩に言うとそうだろと笑って言われて彼女も笑った。


大阪の赤舌   完


                  2021・1・30
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