第五百九十七話 毎日すべきことその九
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「そうだなんてな」
「そうだよね」
「それでメアリー一世は戦艦の名前にはなっていないんだな」
「うん、確かヘンリー八世もね」
「人気がないと戦艦の名前にはならないか」
「みたいだよ」
「そうか、けれど連合でもな」
フックは自分の国のこともここで思い出した。
「それはな」
「あるよね」
「そうだな」
「人気があるとな」
「船の名前になるね」
「豪華客船にもな」
こちらにもというのだ。
「なるな」
「そうだね」
「それで軍艦の名前にもな」
「なるね」
「他の兵器にもな」
「ゾロアスター級は英雄の名前ばかりだしね」
菅はこの超巨大戦艦の名前も話した。
「そういうの見たらね」
「連合も同じだな」
「うん、好かれていると戦艦とかの名前になるよ」
歴史上の人物はというのだ。
「日本にはそうしたことはないけれど」
「日本は違うか」
「日本は軍艦に人の名前は付けないんだ」
このことは十九世紀からのことである、帝国海軍の頃から日本ではそうしたことはなく国や山や川の名前を付けるのだ。
「昔からね」
「日本は違うか」
「連合で日本だけみたいだけれど」
「そこでも日本だけって出るな」
「こだわりの強い国だから」
菅はフックに自国のことをこう話した。
「それでね」
「軍艦の名前もか」
「そうなるんだ」
その様にというのだ。
「昔の国の名前、今は星系の名前になってるけれど」
「摂津とか河内とかか」
「播磨もあるよ」
今自分達がいる星系もというのだ。
「その名前の戦艦もね」
「そうなんだな」
「自衛隊の一時期文字が平仮名だったけれど」
「播磨だと『はりま』か」
「今はそれが戻ってね」
「漢字だな」
「銀河語でも漢字使えるしね」
ただしその漢字は略体字である。
「それでいってるんだ」
「成程な」
「それで日本だと軍艦に人名はないよ」
「使われないか」
「そうなんだ、まあ間違ってもね」
菅はフックにさらに話した。
「日本だと源頼朝とか井伊直弼とかね」
「そうした名前はか」
「中央政府軍の軍艦の名前にはならないよ」
そうだというのだ。
「評判悪いから」
「その人達日本の歴史だとな」
「物凄く嫌われてるから」
「頼朝さんあれだろ」
フックはブランデーを一口飲んでから菅に言った、次第に酔いが回ってきていて表情にそれが出てきている。
「幕府を開いた」
「武家政権をはじめた人だよ」
「偉人だよな」
「数百年続く武家政権を開いたね」
「それでちゃんと政治もしたよな」
「けれど身内次々に殺したから」
特に言われるのが弟の源義経のことである。
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