暁 〜小説投稿サイト〜
オズの木挽きの馬
第八幕その四

[8]前話 [2]次話
「力士さん達は」
「成程ね」
「何ていうかね、物凄く神秘的だよね」
 弟さんはこう言いました。
「お相撲って」
「神秘的ですか」
「僕達から見るとね」
「そうですか」
「何か不思議な世界にある様な」
「不思議ですか」
「この世にこんなものあるんだってね」
 その様にというのです。
「思える位にね」
「不思議なものですか」
「恵梨香から見たらそうじゃないけれどね」
「日本人から見るとですか」
「不思議じゃなくても」 
 それでもというのです。
「他の国の人、オズの国でもね」
「不思議ですか」
「お伽の国の中にあってもね」
 それでもというのです。
「かなりね」
「そうなんですね」
「ちょん髷にその神事のことがね」
「不思議ですか」
「とてもそう思えるよ」
 こう恵梨香に言うのでした。
「外の世界の日本では普通でもね」
「というか日本のものは不思議なものが多いね」
 木挽きの馬も恵梨香に言いました。
「お侍も忍者もね」
「不思議なのね」
「陰陽師もそうで和歌もね」
「和歌もなの」
「不思議なものだよ、呪文みたいだよ」 
 そうしたものに思えるというのです。
「少し見るとね」
「あれは詩でね」
「不思議なものじゃないんだ」
「ええ、ごく普通のね」
 そうしたというのです。
「詩よ」
「そうなんだ」
「別に呪文でも何でもね」
「ないんだ」
「ええ、本当にね」
 恵梨香は木挽きの馬に答えました。
「そうなのよ」
「筆で短冊に書くのとかがね」
「呪文みたいなの」
「日本語自体がね」
「そんなにかしら」
「だって日本語って平仮名と片仮名があってね」
 木挽きの馬は恵梨香に日本語のこともお話しました、彼から見てあまりにも独特で不思議な言葉について。
「漢字も使うね」
「ええ、実際にね」
「そのことがね」
「不思議なの」
「文字を幾つも同時に使う言葉なんて他にあるかな」
「二つならあるんじゃないかしら」
「けれど三つもってね」
 平仮名、片仮名、漢字とです。
「それはね」
「日本語だけだっていうのね」
「それで書く詩なんてね」
 その和歌はというのです。
「不思議だよ」
「そうなのね」
「奇麗だしね」
「その和歌も楽しみたいわね」
 グリンダも言ってきました。
「オズの国では英語以外の言葉も使えるから」
「勉強錠を飲むとですね」
「日本語のそれを飲んで」
「和歌のもですか」
「飲むとわかるから」
 それでというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ