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人面猫から
第二章

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「そして天界のガラガラポンで抽選で選ばれた貴方にお願いに参りました」
「ガラガラポンって何だよ」
「日本でもありますね、当たると温泉旅行の」
「外れるとティッシュのかよ」
「それで世界中の人間を選んで」
「俺が当たったんだな」
「おめでとうございます」
 ヒヤマエルは常盤に満面の笑顔で話した。
「貴方はこの世界を救う勇者になったのです」
「俺今その話はじめて知ったぞ」
「勿論人間には無断でしましたので」
「おう、随分手前勝手だな」
 無断でとはとだ、常盤はこのことにも述べた。
「異世界に放り込まれるレベルで非道だぞ」
「全ては神の思し召しです」
「他の宗教の人間入れるのは流石に駄目だろ」
「世界を救う為には些細なことかと」
「そんな筈ねえだろ、それで魔王ってのはどんな奴だよ」
「目の前にいますが」
「目の前?」
「チィーーース」
 そこにはガングロギャルがいた、髪の毛は常盤と同じく金髪にしていて腰まで伸ばしている。かなり癖のある髪の毛だ。
 顔は派手なメイクであちこちアクセサリーを着けている。爪は全部ネイルアートされていて大きな胸を半分はだけさせたブラウスとギリギリ見えそうな位に短くした制服のスカートという外見である。
「魔王キタエルっす、知ってる?」
「手前みたいな魔王がいるか」
 常盤はその魔王を某世紀末救世主の絵柄の顔になって指差して言い返した。
「何処のガングロギャルだ」
「信じないの?」
「ふざけるのも大概にしやがれ」
 完全に真顔で言った。
「そんな魔王がいてたまるかよ」
「いえ、魔王です」
 ヒヤマエルも言ってきた。
「魔界を支配する魔王の一人なのですよ」
「このガングロギャルがか?」
「そうなのです」
「そうなんだな」
「それで貴方には今からこの魔王と戦ってです」
「世界救えっていうんだな」
「左様であります」
 こう常盤に話した。
「お断りしたらその時点で貴方は納豆に姿を変えられます」
「蛙とかじゃねえんだな」
「最近神が納豆に凝っておられまして」
 それでというのだ。
「納豆にです」
「それはまたひでえな」
「それで受けられますか」
「その話してもう一回尋ねるのかよ」
 常盤はヒヤマエルに眉を顰めさせて返した。
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