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もう一つの"木ノ葉崩し"
第一話―忍び寄る影
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併用して八門遁甲・第六景門まで開くことができ,当時としては柱間,マダラの両名を含めても忍界最強の体術使い,加えて千手扉間に次ぐ忍界No.2のスピードの持ち主であった。九尾チャクラを持つ金銀兄弟さえも力づくで抑えつけて従わせ,里を創設した人物である。
※原作648話にて登場。能力の設定は本作オリジナル。

「オレ達はまだ,てめえに自由を奪われた恨み忘れてねえからな!"里"なんて窮屈な場所に閉じ込めやがってよ,銀角!」

「おうよ金角!てめえはいつかオレ達がぶっ倒す!子の代に至るまで覚悟してやがれ!」

"雲に二つの光あり"と謳われる,二人の忍・金角と銀角。伝説上の人物・六道仙人の末裔とも言われ,圧倒的なチャクラ量で国々を荒らし暴れ回っていた。しかし,夜月一族との戦いに敗れたことでやむなく服従し,以降は雲隠れの里が誇る凶悪な弾丸として多くの国で恐れられる存在となる。

「そう言うがよ,お前らにはちゃんと定期的に任務を与えて,里の外で暴れ回って発散する機会をやってるだろうよ。」

「ふざけるな!任務だと?決められた場所で決められた暴れ方しかできねえで何が楽しい,なあ銀角!」

「おうよ金角!てめえの言いなりにされてんのも気に食わねえ!都合の良い忍具みたいに扱いやがってよ!」

雷影の弁明を聞いてなお,兄弟は不満をあらわにして騒ぎ立てる。

「まあそう言うなよ。不満が募っているところ悪いがよ,今日お前らを呼んだのはまた任務を与えてやろうと思ってよ。」

「「おい聞いてたのかオレ達の話!!」」

「なあに心配するなよ,今回ばかりは本当に思う存分暴れていいからよ。なにせ今回は俺らと同じ五大国,木ノ葉隠れの里が標的だからよ。」

「……!木ノ葉……!」

「……あの火の国の……。」

エーの言葉に,さしもの金銀兄弟にも緊張が走った様子だ。

「相手にとって不足はねーだろーよ。…………,ぶっ潰してこい。」

そして二人の様子を見たエーもまた,突然口調を改め,静かに,しかし荒々しく,命を下すのであった。

しばしの沈黙の後,金銀兄弟は……



ニッ……!



自由の身であったかつてのような,不敵な笑みを浮かべ部屋を出た。

一人になった雷影は,静かにため息をつく。

(全く,最高の遊び場とでも言いたそうな表情だったな,恐ろしい奴らよ。心配なのは俺の死後……俺だからこそ抑えつけられるあの凶器どもを,俺の跡を継ぐ次の"エー"が制御し切れるかどうか……。『子の代まで覚悟しろ』とはよく言ったものよ。ことによると雲隠れは……,二代で滅びるかもな。)
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