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ぶるぶる
第三章

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「このお部屋にいないといいから」
「ここにいないでくれるかしら」
「正直寒くて仕方ないから」
「だからね」
「わかったわ、じゃあ他のところに行くわね」
 妖怪もこう返した。
「それじゃあね」
「ええ、それじゃあね」
「また機会があったら会いましょう」
 二人は妖怪に素っ気なく挨拶をしてだった。
 妖怪が部屋からすうっと消えていくのを見送った、すると部屋は忽ちのうちに普通に寒く感じず震えなくなり。
 陽菜は香澄にほっとした顔になって言った。
「やっとね」
「普通になったわね」
 妹も微笑んで応えた。
「妖怪がいなくなって」
「それでね」
「これで普通に過ごせるわね」
「ええ、じゃあ後はね」
「お酒の残り飲んでね」
「ラーメンは全部食べたし」
 もう鍋の中は空だった。
「お鍋とか洗って」
「こたつの上も拭いて」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「またゲームして」
「漫画読んでね」
「やっていきましょう、けれど何か」
「かえってよね」
「食べてお酒飲んだから」
 それでとだ、妹は姉に話した。
「暑くなってきたわね」
「妖怪がいなくなって普通になって」
「そうなってきたわね」
「だったら」
 それならというのだ。
「暖房着る?」
「そうね、その方が電気代節約になるし」
「そうしましょう」
「やっぱり大阪は暖かいわね」
 香澄は微笑んでこうも言った。
「冬でも」
「寒いことは寒いけれどね」
「夏は物凄く暑いけれど」 
 それで辛いがというのだ。
「けれどね」
「冬は暖かいから」
「凄しやすいわね」
「そうね、本当にね」
 二人でこうした話をしてだった。
 共にこたつを出て食事の後始末をしてだった。
 二人はこたつに戻って漫画とゲームに戻った、もうヒーターは切ったがそれでも充分な状況になっていた。


ぶるぶる   完


                     2020・12・27
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